＋2℃.

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＜藤side>








藤 ｢･･･｣








舞台の上の北山は見た目は確かに北山なのに、

全然俺の知らない人だった。

ガラス1枚挟むドラマとはやっぱ違う。



生で動いて呼吸をしてる姿は、

ただの役じゃなく｢確かな存在｣を感じさせる。

だから北山を見てるって感覚は消え、

俺は1人の｢凌｣って人を見ていた。









千 ｢ミツ凄かったね、なんであんな出来るんだろ｣









帰り道、いっちょまえに感想をツラツラ言う千賀。

バラエティばっかなのになんであんなに上手いの？って。

悔しそうにしたり、でも自慢気に凄いよねって言ったり、

その百面相っぷりは結構笑えるしなんか可愛い。笑









千 ｢じゃあお疲れっ！｣


藤 ｢うん｣









でも千賀の言いたい事は分かる。

本当に｢いつの間に？｣ってのもあるけど、

北山のアンテナは色んな所に伸びてるから侮れない。



確かに最近は演じて学ぶ機会はなかったかもだけど、

その足で色んな舞台をちょいちょい観に行ってたし、

観て感じてちゃんと吸収してたんだろうなぁ。









やっぱ北山は凄いなぁ。









もぉ何度そぉ思っただろう。

俺と北山が違う種類の人間だってのは分かってる。

向いてる方向は同じでも捉え方もやり方も、

根本以外は全然違う。だから仕方がない。









仕方がないけどやっぱ嫉妬しちゃうよ。笑









俺もあんな風にやってみたい。

俺も北山みたいに人を惹き付けたいよ。









藤 ｢ｳｼｯ｣









でも俺は俺のやり方でいい。

それを教えてくれたのも北山。

だから俺は俺で頑張るしかない。



俺は家に帰るなりいつもの読書をしたり、

興味のあった事を片っ端から調べてみたり、

色んな知識を身につけるべくいつもより欲した。









勉強する事が大事だと教えてくれたのも北山。









知る事、知った事全てが無駄にならないと、

色んな所に勉強させてもらえる種があること、

そうゆうの全部北山を見て学んだこと。









藤 ｢･･･｣


《お疲れ、凄く良かったよ》









頑張ってる北山の邪魔はしたくない。

きっと北山の事だ、今の生活にも慣れた頃だろう。

それを乱したいと思わない。

舞台中の生活って普段とは違うペースがあるし。









《抱き締めたくなった。笑》









でも、これぐらいなら許される･･･かな？笑

どうですかね、北山さん。

ちょっとぐらいはニヤけてくれたりしてます？笑

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