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藤 「それってさ・・・」
だけど「見えてる気」じゃ今までと同じ。
何となく「そうゆう雰囲気」で終わらせたら意味がない。
俺はガラス玉が握られた彼の手を取った。
藤 「この瓶にコレ入れてくれるってこと?」
カラン・・・と、幸せの音がもうすぐ聞ける気がして、
俺の顔は多分既に緩んでいた。なのに・・・
北 「コレは入れられない」
藤 「えっ!?」
そう言って握る俺の手をほどくと、
渡したガラス玉を手に返された。
藤 「・・・」
北 「その病気には元々なってないんだ」
藤 「・・・」
北 「だから治るも何もないんだ」
ま・・・・・・さかの衝撃的真実・・・。
は・・・?嘘でしょ・・・?
え・・・、それってつまり・・・、えぇっ!?
俺の事別になんとも思ってないって事・・・?
頭の中で鳴るはずだったガラス玉や瓶が、
一気に割られたような衝撃を受け、
俺の頭ん中はグワングワンとしていた。
藤 「え・・・・・・でも・・・手紙に・・・」
北 「あれは嘘」
わぁー・・・・・・なんかもぉ色々終わった・・・
北 「あれを書いたのさ・・・」
藤 「ちょ・・・っと待って・・・今むり・・・」
予想外過ぎる展開にとても頭がついていかない・・・
北 「太輔、」
藤 「待って待って、ムリムリっ」
もぉこれ以上のショッキングな真実は無理っ!
俺は彼に背を向け、頭を抱えた。
だけどすぐに「もぉっ」って声がすると、
グイッと引っ張られ彼の方を向かせられた。
意外に力あんのね・・・、雪掻きのおかげかな・・・ハハ・・・。
北 「あれを書いたのは俺がヒヨったから」
藤 「・・・?」
北 「俺が弱かったからあんな書き方しか出来なかった」
藤 「・・・」
北 「だって、好きだって認めたらツラいの俺じゃん・・・」
これから離れるってのに、
好きだって認めたら離れたくなくなるし、
良い想い出で終わらせられなくなりそうで・・・
北 「だから、あれは自分に言い聞かしたんだ」
コレは恋じゃない。
優しくされたから縋りたくなってるだけだって。
だからあんな風に書いた。
そう書いてしまえば諦めがつくと思ったんだ。
北 「だけどそんなのやっぱ無意味だった・・・」
そう言って彼は目を伏せた。
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朱蝶(プロフ) - 宮良戸舞さん» 宮良戸舞サン♪最後までお付き合い頂き有難うございました(*^^*)楽しんで、感動して頂けたなら何よりです、本当に有難うございます(*^^*) (2018年3月20日 18時) (レス) id: fea3ffa764 (このIDを非表示/違反報告)
宮良戸舞(プロフ) - 朱蝶さん!!完結おめでとうございます(TT)北山さんの心の葛藤とか藤ヶ谷さんの思いとか、本当に深くて、でもビー玉をモチーフにしてるのが繊細で本当に感動しました……(語彙力)こんな国語力があったらいいなーと思います。これからも頑張ってください!! (2018年3月20日 4時) (レス) id: 8fdbdfe463 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - 藤北大好きさん» 姉様♪最後までお付き合い頂きこちらこそ有難うございましたー(*´ω`*)本当、相手との事考えると言葉も不満もどんどん溜まっていくだけですよね( ̄▽ ̄;)私が気付かせたなんてそんな!姉様がしっかりしてるんですよ(*´▽`*) (2017年10月24日 19時) (レス) id: 03a875af6f (このIDを非表示/違反報告)
藤北大好き(プロフ) - だけど。ケンカするかもだけど伝えたい想いを伝える努力はしたいと思いました。そんな想いに気付かせてくれた朱蝶サンと作品に感謝感謝デス!ホントにありがとうございました♪ (2017年10月23日 11時) (レス) id: 2ae82097c7 (このIDを非表示/違反報告)
藤北大好き(プロフ) - 朱蝶サン遅くなりましたが完結おめでとうございます♪今作はイロイロ考えさせられました。伝えたい想いをどんな言葉で伝えたらいいのか、相手はどう思うかとか…一杯悩んで結局言葉を飲み込んで。ソレもバレてケンカになったりとか…負の無限ループ(笑)→ (2017年10月23日 11時) (レス) id: 2ae82097c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2017年9月16日 20時