何ﾍﾟｰｼﾞ目かに恋をしよう。

< 40 > ページ40

＜藤side>






『幸面素歌』






それはa.Mｻﾝの初めて出した本。

俺がa.Mｻﾝを好きになったきっかけの本。






藤 ｢この当て字いいよね。これでシメンソカ｣


北 ｢前向きな言葉だよな｣






『四面楚歌』

本当は、大勢の人の中での孤独などを表す。






だけどa.Mｻﾝの『幸面素歌』は違う。

どんな状況でも些細なことが幸せに繋がっている。



って意味だ。



お話は人付き合いの苦手なヒロインがいて、

いつも地味な毎日を過ごしてるんだ。

でもある日、絵を描く事に出会うんだ。



それでヒロインは絵で想いを伝えるようになる。

途中絵が書けなくなったり、恋をしたり、

色んな事がヒロインを変えていくんだ。






『絵は絵の具を色々混ぜても完成する。』

『駄目な色なんてないの。それが味になるの。』

『だから私の人生も駄目な事なんてないと思いたい。』






そこを読んだ時は震えたね。

この人の表現力と綴る言葉は人に力を与えるんだ。

自然に自分の中に入ってきて、

背中を押されたような気分になる。






藤 ｢はぁ〜何度見ても痺れるね〜｣


北 ｢なんかやっぱ初めてって言うのもあってさ、勢いがあるよな｣


藤 ｢そうなんだよ。ヒロインみたいにお話が走ってるんだよね｣


北 ｢ふふ、太輔は良い感性してるよ｣


藤 ｢本当！？｣


北 ｢ホントホント(笑)｣


藤 ｢ふふふ、宏光に認められたぁ〜♪｣


北 ｢嬉しい？｣


藤 ｢嬉しいよー。本博士の宏光に認められたんだもん｣


北 ｢そうかそうか、よしよし(笑)｣






宏光が俺の頭を撫でた。






藤 ｢あはは、いつもと逆だね(笑)｣


北 ｢背丈の問題上出来ないだけだよ｣


藤 ｢あ〜、ちっちゃ｣


北 ｢ちっちゃくないからっ！｣






そんな楽しい時間が深夜まで続いた。

< 41 >→←< 39 >

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す