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十七 side 貴方 ページ17

貴 悟くん悟くん

五 煩えついてくんなブス!

貴 ブ、ブス…

五 てかなにお前!俺のファンかよ!お前ンチ黒髪だろ!俺の真似してんじゃねえ

貴 ごめん…なに言ってるかわからない

五 ようはキモいから俺に話しかけるなってことだよ!大体良く俺に話しかけられるな

貴 なんで?ダメなの?

幼かった私は純粋にそう思ったのだ

五 は?俺は天才なんだよ。お前みたいな奴相手にするほど子供じゃねえんだよ

貴 でも悟くんだってまだ5歳だよ。ほら指5本、これで5歳

私は手を広げ歳を教えてあげた

五 お前馬鹿か?それじゃ4歳だ!これが5歳だ!

悟が手を広げると私はその手に自分の手を重ねた

五 なっ!

貴 フフっ やっと目みてくれた

驚いた様子の悟は一瞬目を見開きこちらを見たがすぐに逸らしてしまった

貴 わたしより悟くんのほうが、綺麗な目だね

五 …ハァ わかった。お前って変わってんな

貴 えへへ そうかな

五 褒めてねえ!絶対お前友達いないだろ?

貴 いないよ。悟くんはいるの?

五 …それは

貴 じゃあ悟くんが私の友達になってよ

五 は?何で俺が

貴 お願い。悟くんがいいの!

五 チッ じゃあ下僕くらいにしてやるよ

貴 やった!!じゃあ今から友達だね!

五 勘違いすんな!下僕だからな!


周りの同い年の子は私を気持ち悪がって言葉もかえしてこなかった。けれど悟だけは違った。彼もまた別の理由でひとりぼっちな気がした。だからあんなにも友達になりたい。そう思ったんだろう
兄弟にも嫌われずっとひとりぼっち
だと思ってた私にとって悟と友達になるのは、好きになるのはそう遅くはなかった

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作成日時:2021年1月15日 23時

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