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「………どうなってんだ」
生得領域が消えたことで特級が死んだ事に気づく。
後は虎杖が戻ってくれば……と願うが
宿儺の気配がしたと思い振り向いたと同時に
何かが吹っ飛んで爆音と共に地面は抉れて木々が倒れていく。
「ゲホッッ………痴れ者が……ッッ!!!!」
「ッッッ!!!!」
砂煙の中でゆらりと揺れる人影。
その声は確かに宿儺だった。
「ほう、誰かと思えば……」
「…………」
どうする。単騎でどれ程持ち堪えれる。
明日の方向へひん曲がった左腕とバキバキと戻し、ゆったりと首を回している。
余裕だ、ありったけの余裕を持っている。
「虎杖なら戻らんぞ。なんの縛りもなく俺を利用したツケだ。代わるのに手こずっている。
しかし、少々骨の折れそうな相手を見つけてな。今は気分がいいが時間も惜しい。」
「……何が言いたい」
「小僧を人質にしようと思ってな?」
ぐちゃり。
宿儺の右手が虎杖の身体を抉る。
絶句した。糸も簡単に心臓を取り出して投げ捨てたのだ。
「俺と代われば死を意味する。更に駄目押しだ。」
「っな!!?」
ふと取り出したそれは宿儺の指。
ごくんと飲み込んで「晴れて自由の身だ。鏖殺す。特に理由は無い。」そう不気味に笑った。
できるか、じゃねえな。
「ッッスーーー……」
俺の式神で仕留めるぞ。
「確実に……!!!!」
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「マスター」
「ななななななんでしょう!!?ひぃっ!!」
「あれが伏黒恵か?特徴と一致する」
とても高い電柱の上。
景色が一望出来るのはいいが、高い、あまりにも高い……!!!!
親猫が子猫を運ぶかのごとく襟元を捕まれて四肢が投げ出されているこの状態が一番怖い。
私、仮にもマスターなんじゃなかったっけな〜〜???あれれれ〜〜〜〜〜?????(震え声)
もう視界が揺れすぎて吐きそう。吐いても許されると思うのよ。
「うぅ、黒髪の、同期なんですが、ううぇ…」
「ならあれか。丁度叩き落とされたぞ」
「えっ。」
「後ろの外壁にぶつかって行ったな」
回る視界を凝らしつつ顔をあげればボロッボロの建物。煙たってますね。たってますよね先生。
「そうだな」
「………あの、怪我してると思うんですよ」
「即刻治療に行くぞ」
「アッ、待ってこの状態じゃ胃がひっくり返りs、待って!!待って!!!!!!」
鬼畜!!鬼!!!!悪魔!!!!と叫んでも止まることはなくまた視界が流れていく。
ぐるぐるする胃が今度こそ悲鳴をあげた。
暗転。
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作者名:目 | 作成日時:2020年11月28日 1時