【うちはサスケ】君が闇なら私は光。

8話 ページ10

「すまん
　息子の言動は俺に免じて許してくれ」









そう言ってイタチと同じように
父さんは三人に頭を下げた









「しかし、イタチの行動は
　許しがたいものがあります！」









「そこは俺から厳重に注意しておく。
　 許してくれ」









父さんは必死になっていた









三人は目を合わせて、






「わかりました。
　今回は収めましょう」





そう言って去っていった









父さんも一度兄さんに目を
やってからその場を離れた









ゆっくりと兄さんは立ち上がる







そして、








シュっ








通常の写輪眼の模様から
見た事もない模様へ変わっていった





紅色だというのは変わらないが
写輪眼とはまた違うその瞳は
私達に威圧を感じさせた









今この瞬間何度目か
分からない感情が渦く




恐怖だ






その光景を私とサスケはじっと見つめる









いや、サスケは違かった









今にも泣きそうな表情で
不安気に「…兄さん」と呟いている









そんなサスケを見ていると
私も不安になってくる









まるでこれから嫌な事が起きそうな


そんな予感が









兄さんは無言で玄関に上がり
私達の間を通り過ぎた








喋りかけられないほどに
彼がまとっていた雰囲気は暗い









こんな兄さんは今まで
一度も見たことがないし








こんなにも兄さんを
怖いと思った事もなかった







もしかしたら兄さんは私達が知らない何かを
一人で背負っているのかもしれない








今、とても苦しんでいるのかもしれない









私達はただ唖然とするしかなかった









・









・









・









その目でよく見ておけ




サスケ…A…この一族の器の浅さを…

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