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大親友との夕涼み(アイスノン) ページ7

涼千代side


「大祝」


汗が止まらなかった暑い日の夕方。

少し風に当たろうと学校の屋上に涼千代が顔を出せば、そこには座り込んでいる先客がいた。


「… 何をやっている。」
「ん?えっと、黄昏てた。」


首だけを回して涼千代を確認した鶴姫は、屋上のど真ん中で夕日を眺めていた。

近づいていけば地べたに長座、靴を脱いで裸足をブラブラと揺らすらしくない格好に、涼千代は僅かに目を丸くする。


「…… 参加、してもいいか?」
「ん、どうぞ〜。」


屋上には心地よい風が吹いていて、昼の暑さがかなり和らいでいる。
夕日も燃えるようにゆらゆら揺れていて、授業や旗印で忙しい平日ではあまり見れない美しい景色。

このまますぐに帰ってしまうのは勿体無いと、鶴姫の隣で涼千代も胡座をかいた。


「サイダーとコーラ、どっちが良い?」


鶴姫はそばに置いてあった小さな桶を引き寄せ、水に浸った飲み物を涼千代に見せる。

どうやら1人でなかなか面白いことをしていたらしい。

風紀の乱れた格好に、冷やされた飲み物。
放課後といえど教師に見つかれば確実にペナルティ行きだ。

普段の彼女からはあまり想像できないものだった。


「…… 鶴姫… お前、意外と不真面目だな。」
「そう?あ、オマケに飴も。嫌だったら辞めるけど?」


思い出されるのは入校当時の講堂でのこと。

入学初っ端から佐藤が喧嘩から解放してくれず、旗印を続けた白昼の戦に鶴姫と出会った。

涼千代は「いや」と首を横に振り、桶の中から一本飲み物を取り出す。


「…… 共犯ってことで。」


成績優秀で校則は滅多に破らないイメージが強い2人がこんなことをしているとは誰も予想しないだろう。

バレた時はその時で、今はこのスリルを味わうのも悪くはない。


律儀に「いただきます」と呟いて蓋を開ける涼千代に、鶴姫は一瞬驚いたものの、そのノリの良さに笑みをこぼして夕日に視線を戻した。


「……綺麗だね。」
「……… だな。」







結局夕日が見えなくなるまで、誰にも見つかることはなく過ぎていった、5月のある放課後の話。




.

手合わせする?しよう!!(象)→←二次元にいそうな姉 (麗鳴)



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小鳥遊ふゆう - 更新失礼しました! (2023年2月1日 23時) (レス) id: a30ccd45c8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピピのピ(プロフ) - アイスノンさん» ありがとうございます!めちゃくちゃエモいです!こういうのって意外と、真面目そうな2人だからこそまたこの雰囲気がいいですね!!! (2023年1月17日 7時) (レス) id: dd7f2196ba (このIDを非表示/違反報告)
アイスノン - 遅くなりましたが更新失礼致しました (2023年1月17日 7時) (レス) id: 389e94e307 (このIDを非表示/違反報告)
ピピピのピ(プロフ) - 象さん» ありがとうございます!2人ともめちゃくちゃ強くてかっこいい!!鶴姫ちゃんは可愛いイメージでしたがすっごいギャップがあってめっちゃ良かったです! (2023年1月16日 22時) (レス) @page8 id: dd7f2196ba (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新失礼しました (2023年1月16日 22時) (レス) id: 8de27f30e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピピのピ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年1月9日 19時

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