愛されたい。【青】 (ページ23)

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目黒side

そんなことがあってもAとは同じクラス。
必ず顔を合わせるしかない。

あいつにどんな顔して会えばいいんだよ。
Aには散々酷いことを言ってしまった。

...まず謝るべきだよな。

目｢...ちゃんと謝ろ｣

そう決心して学校までの道のりを歩く。

教室に入ればいつものように腕を枕にして伏せるA。ゆっくりと近づく。
その時Aと目が合った。
動揺した反動でつい目を逸らしてしまう。

...やばい。今の絶対逸らしちゃいけなかった。
どうすればいいのか途端に分からなくなる。
平然を装ってAの横を素通りする。

なぜか驚いた顔でこちらを見るクラスメイト。

『あのふたり別れたのかな？』

どこからか聞こえる声に耳を傾ける。
...あー、話しかけないからってこと？

ちげえよ、なんて声をかけようか今必死に考えてんだよ。

『目黒くんに振られたんじゃない？笑』
『ざまぁみろ笑』

偉そうに言うやつら。
Aを悪くいってることに腹が立つ。

振ってねえよ。振る気なんてねえよ。

...なんて言う訳にもいかず、ただ黙って聞くことしか出来なかった。

昼休みを知らせるチャイム。
今だ、今言おう。

そう決心して立ち上がるも周りを女子に囲まれる。
なんで今日こいつらこんな鬱陶しいんだよ。

『ねぇねぇ蓮くん！！』
『今日購買？一緒に行かない？』

甲高い声が響いて頭痛がする。

なんとか振り払ってAに話しかけようとするも
そこにはもうAの姿はなかった。

目｢....くそ｣

仕方なく1人で購買に向かう。

自分の分のパンとAへのいちごオレを買う。
屋上向かう途中、教室から翔太くんが出てきた。

目｢翔太くん！｣

渡｢...ああ、目黒。｣

声をかけると何故か気まずそうに返事をする。

目｢一緒に屋上行きますか？｣

渡｢...あー、俺は今日はいいや｣

目｢？｣
｢...なんかあったんすか？｣

渡｢...いや、特に何もないんだけど、｣

『翔太っ！』

話しているところに割り込んできたのは知らない女。

『あ！蓮くんだぁ！！』

目｢...だれ？｣

妙な馴れ馴れしさに嫌悪感を覚える。

『初めまして！翔太の彼女の篠崎円香です！』

目｢...彼女？｣

その言葉に違和感をもったのは
篠崎という人が翔太くんのタイプと違うから。

翔太くんのタイプはたしか｢大人っぽい人｣。
それに対し篠崎さんはいわゆるキャピキャピ系。