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目黒side

帰ってきたAはまだ制服のままだった。


目「...制服着たままで、まさかの朝帰り?」


暗い部屋の中でAの瞳が揺れたような気がした。


目「...家にいるって聞いたんだけど?」


自然と低くなる声。


「...ごめん」


声を震わせるAに罪悪感を覚える。



目「...今までどこにいたの?」


近づいて見えたAの顔は怯えきっていた。



目「...ずっと翔太くんといたの?」



顔を上げたAからかすかに香る香水の匂い。
それは嗅いだことのある匂いだった。



「ちが、」

目「ふっかさん?」

「っ、」

目「...同じ匂いする」



ふと首筋に目を移せば
白い肌に紅く付けられた跡。


目「...印つけられてるんじゃねえよ」


それに触れれば勢いよく隠すA。
あからさまな反応に笑うしかなかった。


目「なあ、Aの彼氏って俺じゃないの...?」


俺が無理やり付き合わせてるのは分かってた。
それでも湧いてくる真っ黒な感情を抑えることは出来なかった。



目「なんで他の男と寝てるんだよ...」



ただ目を合わせて黙り込むA。
言い訳すらしてくれないんだ...。

何も喋らないAにいらいらが募る。



目「...黙ってないでなんとかいえよ!!!」


思いのほか響いた怒鳴り声にAの肩が揺れる。
...俺、Aのこと怖がらせてるじゃん。



「ごめん...なさい...」

目「謝るだけじゃわかんねえから...」


Aの目からは涙が溢れ出す。
それでも怒りが鎮まることはない。


目「...Aってさ」
「誰でも寝るんだな...」


言ってからハッとする。
...今のは言ってはいけないことだ。


「ちが、」


腕を掴めば怯えるA。
彼女は絶望したような表情だった。



目「なら」

目「俺とも寝てよ」



...今の俺最低だ。
Aを傷つけると知っていながら出てくる言葉は止まることを知らない。


「....ぃやっ」


小さい悲鳴にも似た声をあげて俺の手を振り払う。
...胸が痛い。


目「...ふっかさんはいいのに俺はだめなんだ」


今までにないくらい傷ついている自分に気がつく。


「ごめ、」

目「俺さ」

目「翔太くんの代わりでいいって言ったけど」

目「...翔太くん以外の男の匂いつけて帰ってくると思わなかった」



Aの表情が歪む。



目「...俺もう...Aといるの辛いわ...」



Aの顔を見るのが辛くてそのまま部屋を飛び出した。






....自分から始めた関係なのに。
何処までも勝手でごめん。

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設定タグ:渡辺翔太 , SnowMan   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:なあや。 | 作成日時:2020年5月24日 2時

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