肆拾参,おっと失敬 ページ43
約190年程の歴史がある百貨店。
その入り口で、邪魔にならないよう端の方に寄って志賀が佇んでいる
今回の任務の相方である『
約束の時間まではあと数分あるから申し分無いのだが、如何せん到着が早すぎた。暇である
―――武者小路 実篤とは、簡単に云ってしまえばNew Village Company―通称NVC―という大手企業の社長の御曹司で、多少世間知らずのお坊ちゃん気質の少年である
昔から志賀とは何かと縁があり、いまでは親友とさえ云える仲だ
そして彼もまた探偵社の面々と同様、異能力者でもある
｢直哉!｣
待つこと数分、やっと相方のご到着だ
声からして彼は明るく快活なのであろう。志賀もやあ、とでも言うように手を上げる
志賀｢行くぞ｣
武者｢はいはーい｣
付き合いが長いので、志賀も武者小路には敬語を使わない
志賀｢そういえば｣
武者｢ん?｣
志賀｢太宰さん拾ってこいって｣
武者｢また?｣
志賀｢また｣
武者｢じゃあ、帰りだね｣
志賀｢ん｣
他愛のない言葉を交わし乍、大通りを並んで歩く
こうして見るとどちらも年相応の少年で、今から多少危険な任務に赴こうというようには見えない
武者｢今回の任務ねぇ｣
志賀｢ん｣
武者｢ボクが昨日出した挑戦状の所為でかなり面倒臭くなったかもしれない｣
てへ、と舌を出し乍、愛嬌たっぷりにそんなことを云う武者小路
志賀｢は?｣
キレる志賀
武者｢待った、怒るな、拳を納めて!｣
志賀｢………なんて云ったんだ?｣
武者｢『子供だからって嘗めてたら絶対痛い目見るから気を付けてね』｣
志賀の振り上げた拳を抑え乍、またも愛嬌たっぷりに云い放つ
志賀｢………ふぅん。で｣
志賀もいつもの事かと呆れ、拳を降ろし続きを促す
武者｢そしたら今日、非番の警備員まで出社させて、入口という入口全部塞いじゃったんだよね｣
志賀｢蟻の子一匹ってヤツか｣
武者｢ま、一切支障ないんだけどね｣
志賀｢そう｣
武者｢うん!だってボクらは最強だもん！｣
志賀｢………ﾊｧ。何を根拠に………｣
武者｢とにかく!作戦の確認ね。先ずは｣
志賀｢侵入3分、制圧1分、あとは説得次第｣
武者｢粗いなァ………｣
志賀｢指示を出すのがお前なんだから、仕方ないだろう｣
武者｢はいはい、頑張りますよ〜｣
志賀｢ちゃんとやれよ…?｣
武者｢ふふ｣
志賀｢おい｣
続く
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神楽かな(プロフ) - 面白いですね！ (2017年12月12日 1時) (
レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった！！ (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無銘 | 作成日時：2017年5月5日 14時
