卅伍 ページ35
中島(それだけ探偵社の危機って事だ。僕の所為で)
事の重大さを理解し、蒲団を握り締める
国木田「ふん、奴らは直ぐに来るぞ。お前が招き入れた事態だ。
自分で出来る事を考えておけ」
中島(僕が……出来る事)
国木田の突き放すような一言に、気持ちが余計に落ち込んでいく
国木田「ところで小僧、直哉、」
少しして、国木田が出て行く直前、思い出したように振り返る
中島が、未だ何か有るのかと、渋々顔を上げる。しかし見当外れに国木田は
国木田「先刻から探しているのだが、眼鏡を知らんか」
と問うた
志賀「…………フッ」
暫くして、志賀は我慢出来ず吹き出して、国木田と、自分の頭を指差した
それを見た国木田は頭を触る。そして眼鏡に触れた瞬間、志賀を睨み拳を握った。すると志賀の顔が一気に青ざめ、国木田は物凄い速さで志賀の頭に拳骨を一発食らわした
中島は目覚めたばかりだと、都合善く理由を付けて見ない振りをしていた
暫くして中島がもう少しで着替え終る頃、やっと拳骨の痛みがひいたのか、志賀が頭から手を離した
拳骨を食らった直後は心底痛そうな顔をして、足をバタバタと暴れさせていた
中島「もう大丈夫なの、直哉君?」
志賀「はい、もう大分善く成りました。(でも未だちょっとヒリヒリしますね。まぁ、いっか)」
中島「良かったね」
中島がネクタイに手を掛け乍云った
その瞬間、何処かでドォオォン、と云う轟音が聞こえた
それに中島は目を見開き、志賀は反対に目を細める
中島(爆発……?まさか!)
志賀(爆発……?でも、これって……)
二人は探偵社を駆け出し、志賀の耳を頼りに現場に走った
――皆殺しだッてよ
――非道い……
――軍警が言うには、マフィアの武闘派、その中でも凶暴な実働部隊『黒蜥蜴』って奴らの仕業だって
――特殊部隊なみに戦闘力を持ち、しかも恐ろしく残酷だとか
現場では、無惨な姿に成った工場と野次馬が有る。そして、その野次の言葉を聞く限りでは、この騒動もマフィアの仕業らしい
中島「マフィアの武闘派『黒蜥蜴』……。
(もしそんな奴らが事務所になだれ込んだら……)
…………」
中島は苦虫を噛み潰したような顔をした
中島は志賀に「ちょっと用事が有るから」と、先に探偵社に帰らせて、近場の電話ボックスに入った
ポケットから小さな紙を取り出し、そこに書かれている番号に電話を掛けた
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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時