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廿肆 ページ24

中島が微妙な顔をして国木田を見ていると、志賀が近くに寄って来た

中島「えっと…、どうした………の?」

年下と解り、敬語を抜いてそう話し掛けた。それに志賀は国木田の方を気にし乍小声で云う

志賀「中島さん今、納得って云ったら投げられる、とか思いました?」

中島「え!?何で解ったの!?」

志賀「……俺も最初、そう思ったからです」

中島「ああ……」

理由は録でもないことだが、古参と新人の間には、早くもちょっとした絆のようなものが芽生えていた


太宰「内緒話も終わったところで、次、私は?」

中島「太宰さんは……」

国木田「おい小僧、直哉、内緒話とは何の事だ」

志賀「なんでもありませんよ、国木田さん」

思い当たる節でもあるのか、国木田が青筋を立てつつ聞くが、志賀はそんな顔も気にせず流す

その間中島は、太宰の前職について

中島(想像もつかん……!)

……考えていた

中島が悩みに悩んでいるのを見て、太宰は「フフ…」と嗤っている

国木田「無駄だ小僧。武装探偵社七不思議の一つなのだ、こいつの前職は」

谷崎「最初に中てた人に賞金が有るンでしたっけ」

志賀「録に仕事もせず、酒飲んでばかりの貴方の、どこにそんな金が有るんですか……」

太宰「そうなんだよね。誰も中てられなくて、懸賞金が膨れあがってる。あと直哉君、最近酷い」

志賀「知らない」

志賀が太宰に対し色々と酷いことばかり云うのは、大概太宰の行動に依るものであり、何時もの事である
 元より志賀と太宰は、あまり仲が良くは無い

国木田「俺は溢者の類だと思うが、こいつは違うと云う」

志賀「ですがこんな人が真面な勤め人だった筈がないですよ」

国木田「ああ。俺もそう思う」

中島「ちなみに、懸賞金って如何ほど」

中島は、国木田と志賀の罵倒を適当に聞き流し、懸賞金に目が眩んでいる

太宰「参加するかい?賞典は今

―――七十万だ」

瞬間、中島はガタッと物凄い音を立て乍立ち上がった
その上、目がギラッと光っていて、正しく人食い虎と見紛う程だ

……横では、谷崎がビクッと体を揺らしている

中島「中てたら貰える?本当に?」

太宰「自 殺主義者に二言は無いよ」

そう聞くや否や、太宰をキッと睨み付けつつ、思い付く職業を列挙していった。

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神楽かな(プロフ) - 面白いですね! (2017年12月12日 1時) (レス) id: 01b9535641 (このIDを非表示/違反報告)
無銘 - ルルさん» 有難う御座います。御礼が遅くなり、申し訳ありません。これからものんびりではありますが、頑張って書いていくので、どうか御愛顧下さい。 (2017年11月5日 17時) (レス) id: 6797fe50b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 面白かった!! (2017年10月17日 0時) (レス) id: 5f42220b54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無銘 | 作成日時:2017年5月5日 14時

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