Fragment ページ2
『カヲルから聞いてなかった?
あぁ……全く、本当に彼は僕の事を話そうとしない
いや、知らないのかな。
知ってたら真っ先に僕を殺しにくる』
すまないね、と笑うと再びシンジの方に目をやる
彼は自分のことを渚カヲルの欠片と言った
が、もちろんシンジにはなんのことやら分からない
しかも何だか物騒な言葉が聞こえた気が
兄弟と言うやつなのか?でも目の前の彼との違いは髪を縛っているか否か。そっくりすぎて分からない
一卵性双生児と言うやつだろうか
『……やはりカヲルが言った通りか』
「カヲルくんが……どうかしたの?」
『いーや、なんでもないよ。
そうだシンジくん。ずーっと室内にいてもつまらないだろう?外にバスケできそうな所があるんだ
少し、動かないかい?』
暇を持て余していた彼は素直に頷いた
.
.
.
シンジが外に出ると前と変わらぬ赤い世界
そして壊れかけているこの建物の隙間を彼に誘われるがままひょいひょいとくぐったり下りたりする
ここだよ、と言われ顔を上げてみるとそこそこのスペースと年季を感じるバスケットゴール、そしてそこにころん、と寂しげに転がるボールがあった
『まぁ古いしゴールも折れていたものを無理やり壁にくっつけたから強度には自信が無いけど
できないことも無いから、多分』
そう言って彼はボールをひょい、と手に取る__……ああ、そういえばまだ彼の名前を知らない。
「あ、の……君の名前……聞いてもいいかな?」
『あぁ、これはいけない。うっかりしていたね
僕はA。
Aでいいよ』
バスバス、とその場でドリブルからシンジにパスをされる
ばすっ、と受け取り彼を見るとシュートしろというアイコンタクトでボールを投げる
ボールは中で綺麗な放物線を描き、ゴールに吸い込まれた
『ナイッシュー、シンジくん』
「あ、ありがとう」
にこり、と彼が微笑むとシンジの胸がどき、と鳴る。
致し方ない、カヲルとそっくりのゾッとするような美形に微笑まれたら誰だってドキマギしてしまうだろう。
ゴールから抜け落ち、ボスボスッとちょうどこちらに転がってきたボールをAの方に投げる
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Tomimatsu/富松(プロフ) - シン・エヴァ公開やっと……やっと決まりましたね! (2021年2月27日 20時) (レス) id: 9798a915f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷水 | 作成日時:2019年3月27日 5時