3.魔法使いと人魚姫 ページ4
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いつも余裕な彼が足を滑らして海に落ちてきた。慌てて近づくけど彼の体はどんどん沈んでいく。
「ねぇっ!返事をして!お願いっ……!!」
瞼を閉じたままの彼はとても綺麗だ。心配になって声をかけるけれど返事はしてくれない。
今日、私は禁忌を冒した。陸の上に上がってしまったのだ。あれほどしてはいけないと言われてきたのに。でも、自分の好きな人が溺れているのに、助けないで見殺しにすることなんて私にはできなかった
彼が起きるまで待った。夜が更けてきて、月が綺麗で。少しずつ明るくなっていって、太陽が見えてきた。太陽は眩しかった。
「おはよう」
「……ハ?なんデ?今、朝だけド」
「あら。起きるまで待っていたのよ。迷惑だったかしら?」
「キミは早く帰ったほうがいいんじゃなイ?」
「そうね。じゃあ、また」
明日という言葉を発することが出来なかった。ただ口元が描いた形だけで分かったのか、またネ、と返してくれた。
お父さんに顔向けできないわ。
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ゆゆ - Romancing Cruiseですが、月スタにてフル出てますよ!作品楽しみにしてます! (2022年9月17日 22時) (レス) @page2 id: fc9f1867b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年9月17日 22時