秘密その32 ページ33
片岡side
千葉君の尾行は暗殺の訓練にもなる、なんて口車に乗せられてしまった。
「あ、もうこのまま出るよ！」
「家か？女か？」
「アンタはそればっかか！！」
皆は楽しそうに距離を保って彼についていく。千葉君は気づいていないのか、足を止めることなく歩いている。手には雑誌サイズに膨らみのあるカバン。また音楽雑誌なのか…楽譜集とか？
駐車場。
大通り。
交差点。
住宅街。
「ね、ねえ、もうよくない？多分もう家入るだけだよ」
止めるけど、皆の耳には入っていないようだ。言い出しっぺの前原やノリがいい矢田さん、倉橋さんなんかは特に。
ﾋｭﾎﾟﾝｯ。
突然、前原のスマホにLI○Eが入る。
「ん？誰だろ」
小さくそう言いながら、前原はスマホを操作した。
「うわっ！？」
で、かなり大声をあげた。静かな住宅街によく響く。
「しぃーっ！ばれちゃう！！」
倉橋さんが慌てて言う。いや、もうアウトだと思うけどなぁ。
「ごめ、じゃなくて、これ！！」
いつもの語彙力はどこへやら。たどたどしく言うと、ズイッと私達に画面を見せた。
そこのメッセージは、たった一文。
『後をつけるなら、声掛ければ？』
「！？」
ばっ、とスマホから顔をあげる。
少し先で、千葉君がこっちを見ていた。
「えぇーーーーっ！！？最初から！？」
「バレバレ。暗殺のために○オンからずーっとつけてきたろ。途中で片岡が上手いこと乗せられてさ」
そんな前から気づいてたんだ。気配を消すのは得意分野なのに。
そう言うと、
「実は…俺も皆の後つけてみようって思ってて、店出たところをって思ってたから。俺が動いたら皆動くし、すげー面白かったよ」
そう声を殺して笑っていた。それが何だか様になっている。彼も磯貝君達と違う学校なら、きっとモテる部類だったろうに。
「ばれてーら」
「ま、今回は狙いが被ったからな。また尾行してみろよ」
「受けてたぁつ！！」
男子は小学生みたいにはしゃいでいる。なんとなく母性本能がくすぐられr…いやいや、相手は同学年だから。友達だから。
「あはは〜、男の子は元気〜！」
倉橋さんが笑うと、周りにたんぽぽがとんでいるみたいだ。いちいちかわいい。しかも、それが自然だ。
矢田さんは、どちらかというとコスモス。岡野さんはひまわり。
皆がかわいくて羨ましいよ、全く。
変に母性本能が働くんだよなぁ。
その時。
「あっれ、久しぶり〜！？」
後ろから聞きなれない声がした。
千葉君の顔色が、明らかに悪くなった。
ラッキーアイテム
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ラッキー生徒
律
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澪亜 - 何この俺得小説……いい話あざっす！ (2022年10月1日 19時) (
レス) @page44 id: 43a4c159cd (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリという名の誰か(プロフ) - ねぇ、、途中で目から汗が出てきたんだけど、、どうしてくれるの(ﾉд`)ｳﾙｳﾙ (2018年8月1日 0時) (レス) id: 76ff7c0967 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 面白かった！千葉くん（スナイパー）の歌声、きいてみたい！ (2017年11月12日 19時) (レス) id: 94bc6d2b16 (このIDを非表示/違反報告)
雪かき - 今更ですが、三次創作okです。行うときはここにコメントしてからお願いします。 (2017年10月18日 18時) (レス) id: ff0b6091c2 (このIDを非表示/違反報告)
雪かき - さ、最高！！？ありがとうございます何よりの誉め言葉です(//＞ ＜//) (2017年10月17日 16時) (レス) id: ff0b6091c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪かき | 作成日時：2017年8月6日 12時
