目隠れアサシンの秘密｡

秘密その30 ページ31

菅谷side

『手がかり集めんの、手伝ってくれないか？』
ひとりひとりに同じ文章を送る。本当はE組のLI○Eグループに送りたかったけど、千葉も入ってるから念のため控える。その結果、とても面倒な作業になった。
『協力します！』
真っ先に律から返信がきた。グループ作成までご丁寧に。とりあえず俺達は加入する。『退会自由でいいからさ、一旦グループ入って、一斉に送りたい』と、また全員に送る。5分もすれば全員が集まった。
『私はご協力します！』
もう一度律が意思表示する。さすが、打つのが速い。
『千葉さんが今以上に苦しむのは嫌ですから』
これも、律。嫌です、なんて、感情的な意見で驚いた。
『僕も、協力する』
『あいつには思いきり泣いてもらうって浅野と約束したし』
次は、渚と速水だ。文面を見るかぎり、だいぶ立ち直ったみたいだ。
そこからは、皆が次々に『協力』の意思を示してくれた。皆、どういう形であれ千葉のことを気にかけているんだろう。それが分かるだけでも嬉しかった。
(なぁ千葉、お前のこと信じてる人が、こんなにいるんだぜ)
信じてるから、信じてほしい。動く理由は、それだけでいいだろ。

『悪い、俺はやめとくわ』

「え？」
そのメッセージは、寺坂からだ。この流れで反対する人がいるなんて思ってなかったので、驚く。
『隠し事は何かは、千葉が言えるようになったら直接聞くって約束したからよ。協力したら、結果的に約束を破っちまう』
次いで寺坂からメッセージが送られる。
もしかして、あの日、キッチンをあさってなかったかもしれない。証拠を探してる振りをして、別のこと考えていたのかも。
『ん、分かった！千葉にこのグループのこと言わないでくれ』
『おー』
返信すると、さらに返信がきた。直後、[リョーマさんが退会しました]と出た。



『じゃあな』
そう打ってLIN○を終える。2人が帰ってから3時間程やってたから結構な時間だ。皆がだらだら会話しながら情報を出し合った。
「えっと…？」
言いながら紙とペンを出して机に向かう。
千葉は、ほぼ100%『銃者』だろう。本当に違うなら、あいつはE組にいないから。浅野の話からしてまちがいない。
てことは、『疑われる』よりも『ばれる』の方が、怖がっているものに近そうだ。
その上で、『優しく〜…』だから、以前そんな経験があるとか？仲良くしてた人から裏切られた経験があるのかも。

もしそうなら、俺達に何ができるんだろう。

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