秘密その14 ページ15
千葉side
走った。
ただただ、走り続けた。
早く、早く家につきたかった。
「は、はぁっ、はぁ、っ」
嫌だ。
きっと、渚は俺のことを疑ってる。
俺が『銃者』だって思ってる。
「…は、ぁっ、い、やだ」
本音が洩れる。声が掠れているのは、カラオケで歌ったからだけじゃないんだろう。
ーーーーえ、千葉って歌い手!?
ーーーーマジかよ!!そんなのやってんの!?
ーーーーサインとかない?欲しいな〜、なんて……
「は、あっ、嫌だ、や、だっ」
違う。皆は『そう』じゃない。
『あの時』とは違う。
それくらい、分かっているのに。
『あの時』のことばかりが頭をよぎる。自分で思っていたより、『あの時』のことはトラウマになっていたらしい。
「た、だい…ま…っ」
誰もいないのに、つい言ってしまう。
転がりこむように玄関まで入ると、急いで鍵をかける。家に、がちゃんっという音が響いた。後には、俺の息切れの音が残る。
「はーっ、はぁー…っ」
『あの時』のことが、頭から離れない。
ーーーーあいつ、何か地味だよな。
ーーーー怖いんだけど。目ぇ隠してさぁ。
ーーーー近寄らんとこ?ウチらまで変人ーって思われるやん。
「………」
渚side
ピンポォン、という音が響く。
ーーーはい。
「あ、3-Eです!」
ーーーOK。ちょっと待ってて。
しばらくして、ガチャ、とドアが開いた。
「どうぞ」
「お、おじゃましまぁす」
今日は、待ちに待った土曜日。
中学校前に集合して、全員で千葉くん家に向かった。
「あ、挨拶しないと」
「大丈夫。家に俺しかいないから」
磯貝くんがそっか、と笑う。
確かに、どことなく寂しい感じがした。普段から家にいないのかも。
リビングには大きな机が置いてあって(いつもは仕舞っているんだろう)、食事用の机と合わせれば28(律を除いて27)人が何とか使えそうだ。
各々が宿題やドリルを出す。表向きは勉強会だから、当たり前なんだけど。
「とりあえず、45分!」と片岡さんが言う。ストップウォッチを持ってきているあたり、流石としかいいようがない。
「ーーーーーー始め!」
磯貝くんの合図の直後、この空間が水を打ったように静かになった。
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澪亜 - 何この俺得小説……いい話あざっす! (2022年10月1日 19時) (レス) @page44 id: 43a4c159cd (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリという名の誰か(プロフ) - ねぇ、、途中で目から汗が出てきたんだけど、、どうしてくれるの(ノд`)ウルウル (2018年8月1日 0時) (レス) id: 76ff7c0967 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 面白かった!千葉くん(スナイパー)の歌声、きいてみたい! (2017年11月12日 19時) (レス) id: 94bc6d2b16 (このIDを非表示/違反報告)
雪かき - 今更ですが、三次創作okです。行うときはここにコメントしてからお願いします。 (2017年10月18日 18時) (レス) id: ff0b6091c2 (このIDを非表示/違反報告)
雪かき - さ、最高!!?ありがとうございます何よりの誉め言葉です(//> <//) (2017年10月17日 16時) (レス) id: ff0b6091c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪かき | 作成日時:2017年8月6日 12時