【文スト】中原中也の新相棒には問題があり過ぎる。【中原中也】【男主】

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自宅に挙げられてから数十分。
変わらない動作でゲームに打ち込む、十六夜。


いい加減、そのＴシャツを半目で見るのにも飽き、此奴のマンションの大体の値段を把握してみるのにも飽き、此奴の財産の出処を考えるのにも飽きた。


ちなみにＴシャツは『お布団と生涯を添い遂げます』というものであり、マンションは数億は下らないだろうと思った。金の出処は見当もつかない。宝くじでも当てたんじゃねえのか。


さて、そんな内情把握のようにも思えなくないただの暇潰しを終え、俺に残るは怒りだけであった。

ガシッと襟首を掴み、耳元で数十分溜め込んだ鬱憤を声にする。


「手前！今日は任務があるっつっただろうがッ！！なんで朝からゲームに打ち込んでんだ手前は！『おはよう、早く来てもらって悪いけど俺、スプ⚫トゥーンやんなきゃだから待ってて』じゃねぇよ！お前が打ち込むべきは銃弾！相手はテレビ画面じゃなくて敵対組織だッ！！！」


耳元２センチくらいの大声を受け、流石に十六夜も黙った。キーンとしているだろう耳を押さえ、俺の足元に丸まる。

これには多少満足したが、タイムロスは痛い。

本当ならさっさと切り上げて自分だけで任務を遂行達成した方が断然良いのだろうし、そんなことはもう1,000回くらいは考えた。

が、首領からの命はあくまで「二人組」での任務である。

頭痛と胃のムカつきを抱えつつ、ダンゴムシと化した男の腕を掴んで立たせる。


「……み、耳が、耳がぁぁ！」

聞き覚えのある台詞で悶絶する十六夜。耳ではなく目だと思うのだが、面倒なので突っ込まない。


「おい、行くぞ。首領直々の命令だ。背けば首が飛ぶ。それも物理的にな」

というか、いっそこいつの首だけ飛んでいってくれないだろうか。

一瞬そうも思ったが、昨日、こいつは治癒系統の異能を持っていることが分かった。
簡単には飛ばないクビかもしれない。詳細は聞いていないから、なんとも言えないが。

扉の前まで来て振り返る。
奴は、街ですれば女という女が見惚れるような物憂げな表情で溜息を吐き、ポツリと言葉を出した。


「はぁ……働きたくないなぁ」


内容が最悪だった。

２→←中原中也の新相棒には問題があり過ぎる*１

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