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「中原さん、お疲れ様でした」
「後は俺達で此奴を運んでおきます」
「お気をつけて」
配下の奴の声と共に、背後で硝子製のドアが自動で閉まる気配がした。手前を歩く十六夜の背中を見ながら、俺は最後の瞬間を思い返す。
「(……なんで、オーナーはあんな冷たい目で此奴を見る必要があったんだ？)」
此奴が何かした訳でもないだろう。それなら摘み出せばよかったはずだ。
佐原会長を“処理”した際に血で汚れた手袋を気にしながら、憎い程の高身長の横に並んだ。
無感情というより、飄々と流れる雰囲気を身にまとう男。結局、今回の事件じゃ何も読み取れなかった。隣に立つと、奴の方が先に口を開いた。
「俺達って、このまま組織に還ったら報告かね」
「だろうな」
「面倒だから俺パスで」
「報告をパスする奴なんざ聞いたことねえよ。いいから顔出せ」
「えー」
駄々っ子のような声を出す。横顔は涼しげだ。何を考えているのだろう。太宰の時よりも読めない。
先程の一件から実力を垣間見た今は、それが危険なことのように思えた。
黒塗の車に近づいていく。手配していた運転手が通りの向こうで、俺達に扉を開いた。タイミングを計りつつ、ようやく口を開く。
「おい手前、先刻……」
十六夜が此方を振り返った。日暮れの最後の光がその顔を照らす。精巧な人間の顔。
危ないよ。
奴の口がその形に動き、俺が瞠目した、刹那。
俺の耳のすぐ横を、いつの間にか通ってきていた鉛玉が、針のように鋭く通過した。不意を突かれた俺では止めようもないそれが、スローモーションに流れて、奴の懐へと滑り込む。
自分に向かって飛び込んでくる弾を見る奴の目は、最後の一瞬までも無感動で。
着弾の音と、衝撃。
時が止まったような気がした。
「……ッ！」
血の赤が目に飛び込む一瞬前、俺は反射的に反対側を向いた。弾丸が飛んできた方角。それは先程まで居たホテルの方だった。
無数に敷設された窓の中に、不審な者を探す。
突っ立った俺の腕を引いたのは、十六夜だった。振り返れば、片手で胸を抑え込んでいる。
十六夜は、げほッ、と噎せこんで、鋭い目で俺の見据える先を見た。抑えた胸を見て言葉に詰まる。
「手前……銃創が治ってねェじゃねえか！」
どんどん染み込んでいく赤が、明らかに今朝とは違っていて、俺は目を剥いた。十六夜は少しだけ唇を横に引く。
「一分もすればブッ倒れるから、組織まで運んでくれる？」
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オタク(プロフ) - スプラトゥーンww (2019年5月17日 12時) (
レス) id: 4494596138 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - ここ読む人いるかは分からないんですけど、オチまでちゃんと考えてあるし更新は止まっていても作品の事は忘れてないですし生命活動も停止していませんので、あの、受かったら戻ってきて完結させます……ホント申し訳ないです。ていうか人生詰みそう。 (2018年12月15日 23時) (レス) id: 06629672db (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 祟璃さん» わたしと致しましても、早く続きを書いてお届けしたくてしょうがないんです。操×籠の方も見て下さっているんですね！ あちらも3月からはどしどし書いていきますよ！ 心踊るコメントありがとうございます。必ず戻ってまいりますので、今しばらくお待ちください(*^_^*) (2017年12月27日 16時) (レス) id: c74f413357 (このIDを非表示/違反報告)
夜(プロフ) - 祟璃さん» わぁ、ありがとうございます!! こんなに長らく音沙汰なく過ごしているのに、まだ覚えて待って下さるなんて！ 今もこれを書き上げる意思は衰えておりませんし、此方に力を注ぐのも来年には叶いそうです。具体的には2月28を目標にしています。(嬉しすぎたので続く) (2017年12月27日 15時) (レス) id: c74f413357 (このIDを非表示/違反報告)
祟璃(プロフ) - 更新停止から復帰できることを願ってます…!!! 下のコメを見ましたが、個人的に十六夜君は誘い受けが似合うかなと思ってます( ニート受けっていいと思うんですよ( 操×籠の方の更新も待ってます!! (2017年12月26日 19時) (レス) id: 53235c3c55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Drastic1/
作成日時：2016年8月15日 22時
