富〇サファリパークの君 ページ17
生まれてそこまで経っていない頃の会遇の記憶を思い出す。あの頃は俺もまだ小さかった。
空を飛んで澄んだ星を見たいが、絶滅危惧種の悪魔族は、容易に羽は出せない。
｢おい、何トリップしてんだ。｣
｢過去を思い出してしみじみしてただけですー。｣
ライオンの彼は言葉はぶきっちょだが、その内包した心は優しさや友愛のそれだ。何となくだがわかる。
…話を聞く限り家では彼の強いユニーク魔法故に隔絶されているらしいが。
そこの家に住んでいる者は、人の本質を全くと言っていいほど見抜くことができない爛れた眼を持っている。
｢あっ！またお願いしたいんだが…｣
もう何度目か分からないお願いに彼はハイハイ。とでも言うような、もう文句を言うのも無駄だと思ったのか、やけに従順にゆっくりと立ち上がった。
まぁ、素直に従ってくれる方がこっちも都合がいい。
｢またあのゴミだろ…。｣
｢そうそう！話が早くて助かるな。｣
石やらなんやらでごつごつした川べりを子気味よく歩んでいく。
目的地にたどり着くと、そこには天高く積み重なったゴミの山があった。
黙々と一人で売れるゴミと売れないゴミをひたすら分別していく。
夜でも少し汗をかく。ゴミを分別するユニーク魔法でも作ろうか…。
｢ライオンくーん。一旦終わったからこれ砂にしてくれるかー？｣
｢俺のユニーク魔法をそんなふうに使うやつなんてお前くらいだぞ…。｣
｢それはどーも。｣
使えるものはとことん使わなきゃな。
彼は長い呪文をスラスラ唱えて、ゴミを全部砂にしてしまった。
相変わらず見事な魔法だ。どんな術式なんだろう。
｢ライオン君ってなんでちょくちょくここに来るん？｣
｢どうだっていいだろそんなこと。｣
｢ま、別にいいけどさ。｣
夜風が当たって気持ちがいい。
｢最近はここも静かだしね。スラムが荒れてない時だったらいつでも来なよ。でも、こんなところだからなんもしてあげられないけどね。｣
そういうとライオン君はいきなり立ち止まって驚いたような顔をした。
えっ…キレた…？？顔がめっちゃ怖いんだけども。
その顔もすぐいつもの憮然とした表情になり、また歩き始める。
｢気が向いたらな。気が向いたら。｣
｢またまた〜！最近よく来る癖に〜。｣
｢うるせぇよ。ま、あんま来れねぇだろうけどな。｣
｢へーぇ。なんで来れないの？｣
こんな辺境までわざわざ来る彼のことだ。たぶん家族間で一悶着あったんだろう。
彼は珍しく言葉じりを濁していた。
｢あのさ…。｣
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ふねぬい(プロフ) - 虚さん» いや〜ん…告白されちゃった(照れ)次作は案練り中！コメントありがとうございます！ (2020年8月6日 0時) (
レス) id: 71289eb0fd (このIDを非表示/違反報告)
ふねぬい(プロフ) - アカバさん» 応援＆コメントありがとうございます！続きは模索中です！ (2020年8月6日 0時) (レス) id: 71289eb0fd (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - 好きですっ！お気に入り失礼しますっ！更新気長に待ってますっ！ (2020年8月5日 23時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
アカバ - 初コメ失礼します！面白いです！応援しています。頑張って下さい！！ (2020年8月5日 18時) (レス) id: 25e6345673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふねぬい | 作成日時：2020年7月5日 23時
