好奇心は悪魔をも殺す ページ14
じめじめとはせず、案外ひんやりとした地下に目を通していく。
指先に頼りない光を灯らせて壁を照らしていく。
ぴちょん…と定期的に小さな水の音がきこえる。
普通に先が暗くて怖い。
…先程の母の手紙からして、悪魔達は相当惨い目にあったらしい。
昔、文献を読んだが、悪魔は人智を越えた力で人に奇跡を与え、その代わりに人から何かを奪っていく生物らしい。
その力の意味が曲がって人間や他の族に伝わったり、デマが流されてしまったのかもしれないし、はたまた、悪魔がとんでもない人の恨みを飼ってしまったのかもしれない。
数年前に目にした、なんでも叶う悪魔の羽。という商品は多分この事件を背景にしていて、もし、本当にもしもだが、本物の悪魔の羽根を切り落として売っていたのやも…。
俺が家出していなければ、無惨に殺され、羽や角やしっぽを切られて売られたりしたかもしれない。
心做しか鳥肌が立ってきた。
…考えるのやめよう
俺は悪魔としての本能的な部分が欠けているのか、誰かと契約したことはなければ、その方法も知らない。奇跡が起こせるかも不明だ。
あまりにも自分のことが分からない。
でも、俺以外全員が死んだのならば、俺が悪魔族の最後の生き残りで、ワンチャン子孫を残さなかったらこの種を絶滅させることができるってことか…？
つまり、悪魔族存続の左右は俺にかかっている。
それ、なんかカッコイイな…。
暗いところで1人だと、思考に没頭してしまうのか、鼻頭に水滴が落ちて過剰に驚く。
周りを見渡すと、照らされた壁が一部分だけ凹んでいることに気づき思わず立ち止まる。
｢怪しい…怪しすぎる…。｣
苔が少し着いた石畳の壁をさする。
なにかないのか、そう考え触り続ければ、くぼみに手がはまる。人差し指の頼りない光を壁にそっと照らすと、落ちくぼんでいる所は手のひらを模した形をしていた。
そこに手を置けと？
唾をゴクリと飲み、うっそり手のひらを合わせる。
その途端小さく壁が揺れ始め、だんだん揺れが強くなっていく。古い石畳からは、土やらそこらじゅうの石の破片が降り始めた。
体も小刻みに揺れる。
さすがに恐ろしくなってきたので、体の周りに防衛魔法を張り巡らす。
そんなことをしている間に、ゴォオォと、更に石が擦り合う音がして、さらに強い砂埃を舞わせてくる。
揺れと砂埃がある程度収まった時、腕の隙間から石畳をみると、そこの壁は先程とは違う顔を見せていた。
｢うわあぉ…。｣
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ふねぬい(プロフ) - 虚さん» いや〜ん…告白されちゃった(照れ)次作は案練り中！コメントありがとうございます！ (2020年8月6日 0時) (
レス) id: 71289eb0fd (このIDを非表示/違反報告)
ふねぬい(プロフ) - アカバさん» 応援＆コメントありがとうございます！続きは模索中です！ (2020年8月6日 0時) (レス) id: 71289eb0fd (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - 好きですっ！お気に入り失礼しますっ！更新気長に待ってますっ！ (2020年8月5日 23時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
アカバ - 初コメ失礼します！面白いです！応援しています。頑張って下さい！！ (2020年8月5日 18時) (レス) id: 25e6345673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふねぬい | 作成日時：2020年7月5日 23時
