Dracula La＊４

▽ Yside ページ19

台湾での仕事を終え、日本に帰国した。


あまり得意ではない飛行機に乗ったせいで疲れているけど、夜からはリハがある。





…そういや、今日、Aバイト入ってたよな。

自分の家に帰ってから行くよりも、スタジオに近いAの家に寄って一緒に行けばいいんじゃね？



どうせ、スタジオに行くならその方がいい。

Aにも会えるし。





ということで、自分のマンションではなく、Aのアパートに向かう。









インターホンを鳴らしても出ないからまだ大学から帰って来てないみたいで。



まぁ、授業が何限までか知らないけど、バイトがあるならそんなに遅く帰って来ないだろう。









１時間後。



「…さみ…」


さすがに真冬に外で待つのは寒すぎる。

やっぱりAに連絡しようか…




そう思ってスマホをポケットから出そうとすると、



「洋平さん、」


小走りでAが帰ってきた。





「…やっと帰ってきた。おかえり」


何か言おうとするAを腕の中に閉じ込める。





「Aあったけーな」






「…このままだと部屋に入れませんよ？」

ちょっと困ったような口調で言うのが聞こえて



「んー…」

仕方なく腕を緩めると、





「おかえりなさい！」

笑顔付きでそう言われたら、単純だけど、なんだか疲れが吹っ飛んだ気がするんだ。





.





スーツケースを玄関に置かせてもらい、部屋に入ると、Aは



「今、こたつの電源入れたんで入っててください！」

とキッチンに行ってしまった。






上着を脱いでこたつに入ると、暖かいけど何か物足りない。






２つのマグカップを持って戻ってきたAに、



「ここ来て」

と俺のすぐ隣を指差す。




「狭くないですか…？」




「いいから。早く」




少し戸惑うAの腕を引っ張る。






「…洋平さん…？」




「Aで暖まってんの」




こたつも暖まるより、Aにくっついている方が暖かい。



やっぱ、Aのとこ来て良かったな。

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