Dracula La＊４

▼29 暖めて。 ページ18

「Aー！なんでようぺ台湾にいんの？」




学食で待ち合わせしていたマイが来たかと思ったら興奮気味で聞いてくる。




「マイ！声が大きいって…」




「…ごめん、つい(笑)

んで、なぜにようぺ台湾？」




「台湾公演のプロモーションらしいよ」




「なるほど！だからインスタめっちゃ更新してたのか」

やっぱりようぺスタイルいいなぁとインスタを見ながらしみじみ呟くマイ。




「そして、そんなようぺの彼女が、私の目の前でラーメン食べてるだなんて…」




「…すみませんね、洋平さんと釣り合ってなくて」




「うそだよ〜！怒んないで(笑)」




「別に怒ってないけど…」

怒るも何も、事実だからね。
自分でも十分承知している。







…でも、数日前に

“俺、性格とか全部ひっくるめてAのこと好きなんだから”

と洋平さんは言ってくれた。




だから、少しは洋平さんの彼女でいる自信を持ってもいいのかな、なんてね。


ああ…今でも思い出しただけで嬉しくなる。





「…ちょっと、なにニヤニヤしてるの(笑)」




「えっ、何でもないよ！」




…早く洋平さん日本に帰って来ないかな。






.






４限の授業を終え、アパートに戻ると私の部屋のドアに寄りかかっている人影が見えた。




顔は見えないけど、あのスタイルの良さは、きっと…




思わず年甲斐もなく小走りで向かう。





「洋平さん、」




「…やっと帰ってきた。おかえり」


私も、おかえりなさいと言おうとしたら、あっという間に洋平さんの腕の中。





「Aあったけーな」




「…このままだと部屋に入れませんよ？」




「んー…」



渋々私を解放してくれた洋平さんに




「おかえりなさい！」


と言うと





「うん、ただいま」





洋平さんの影になっていたスーツケースが見えて、日本に帰ってきてすぐ来てくれたんだとまた嬉しくなった。

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