Dracula La＊４

▽ Yside ページ15

「え、Aちゃんどした？」


足早に帰って行ったAの後ろ姿を見ながらヒロがそう聞いてくるけど。




…そんなん、俺が一番知りたいっつーの！




Aは大学生だし、Aにだって都合というものがあることぐらい、俺だって理解している。




だけどさ、しばらく無理、ってなんで？

大学の試験は２月の始めって言ってたし、
しばらく無理だという理由が分からない。





「…Aちゃん、洋平になんて言ったの？」

とまーくん。




「いや…俺ん家来ない？って聞こうとしたら、しばらく無理って言われた」

と俺が答えると、まーくんは怪訝そうな顔で


「…洋平、Aちゃんに何かした？」

と尋ねてくる。





「えっ、してないけど」

てか今年に入ってAに会ったの、３回目だし。しかもこの前会ったときはAが風邪ひいてたわけで。


記憶を探ってみても思い付かない。





「…うーん、他に何か言ってなかった？」

他に…？

Aにしばらく無理って言われたことがショックすぎて、あんま覚えてねぇ…









…あ、



そういえば、


「…俺が触れてくる？のが困る？とか、そんな感じのこと言ってたような…」


と俺が言うと






「あーなるほど、そういうことね」

とずっと黙って俺らのやり取りを聞いていたサトヤスがニヤニヤしながら言ってきて。





「そういうことってなんだよ」




「ヒントは正月、かな」




「正月？」

そんな漠然としたヒントで分かるかよ。




でも、他の２人はそれで分かったらしく、

「あっ、なるほど」

「あー」


だなんて納得している。





「え、ちょっと、マジで分かんないんだけど」




「女の子は気にするよなぁ。洋平みたいな彼氏がいたら特に」




「そうだね。洋平距離感近いし」




ヒロとまーくんがそれぞれあーだこーだ言ってるけど、さっぱり分からん。





「距離感近いことが関係あんの？」

と俺が詰め寄っても、




「はぁ…察しの悪い彼氏でAちゃんも大変ですな」

とサトヤスに呆れられるし、




まーくんには

「…とにかく、Aちゃんがしばらく無理って言ってるんだから、大人しく待っててあげなよ」

となだめられてしまった。





はぁ…マジで分かんねぇ…

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