Dracula La＊４

▼28 バレないように。 ページ14

「ああ〜〜！」




「ちょっと、何事！？」




「ふ、増えてた…」






お正月は実家でお餅食べ過ぎたし、風邪ひいたときは洋平さんに作ってもらった雑炊たくさん食べたし、その上、マイと旅行行って食べ放題なんか行っちゃったし。



嫌な予感はしていたけど。





マイの家の洗面所でふと目に入った体重計に乗ってみたら。





案の定。




３キロも…






「あーこれはやばいよA」





「み、見ないで！」





後ろから体重計を覗き込んでくるマイを軽く睨むと、





「ようぺ細いからなぁ」





「ちょっと！」


一番気にしてることを…！






「…ダイエットだね」






「…分かってますぅ」




…洋平さんに太ったことをバレないようにしないと。






.







「A、」



今年初のスタジオdropsでのバイトを終えて帰ろうとすると、今は会いたくなかった洋平さんと鉢合わせてしまった。





「今日さ…」




「行けないです！」


俺ん家来ない？と言われる前にそう言うと




「えー、じゃあ明日は？」




「しばらくは無理です…」

と言うと、




「…A、何かあった？」

と心配そうな表情で近付いてくる洋平さん。



ああ、太ったことがバレちゃう…！！




「何もない…ですけど！」

嘘です、太りました…




「ならいいじゃん」

いやいや、全然良くないよ…



お腹周りとか洋平さんに抱きしめられたら、すぐ太ったことがバレちゃう。







「あの…洋平さんが…」




「ん？」



抱きしめてきたら困るって、他に上手い言い方…




「…ふ、触れてきたら困るから…」




「…え？」

私の言葉にキョトンする洋平さんに、自分が言ったことが恥ずかしく思えて、




「あれ、Aちゃん？」




「とにかく、今日は帰ります、

おやすみなさい！」



洋平さんに向かってそう言い、運良くいらした他のメンバーの方々に軽く会釈をしてスタジオを出る。







あ〜絶対、不自然に感じられただろうな…。



でも、何より太ったことが洋平さんにバレたくないから。





「…ジムにでも通おうかな…」


とにかく、早く痩せなきゃ。

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