Dracula La＊４

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次の日、いつものようにバイトに向かうと


スタジオの入り口に男の人が立っているのが見えた。




お客さんなのかな、とぼんやり思いながらスタジオに入ろうとすると





「あれ、Aちゃん？」






聞き覚えのある声にハッとして思わず振り返ると





「やっぱりAちゃんじゃん、久しぶり」



馴れ馴れしく肩を組んでくる、

昨日、マイから話を聞いた張本人。





「…岡田くん、離してくれない？」





「え、いいじゃん別に」



何がいいのかさっぱりわからないけど、とにかく思いっきり身を捩って、彼から離れる。





昨日の今日で、こう、タイミング悪く出くわしてしまうだなんて、本当にツイてない。





「あ、そーだ。ちょうど良かった。

Aちゃんに少し手伝ってもらいたいんだけど」



再びスタジオに入ろうとすると、今度は手首を掴まれ、突拍子もないことを言ってきて。





「嫌です、離して」


と答えると、





「スタジオの店長さんなのに、お客に対してそんな態度とっていいの？」


だなんてニヤニヤしてきて





「…ご用件は？」


不本意だけどしょうがない。





「18時からリハするんだけど、そのセッティングを手伝ってくれない？」





「…何をすれば？」


スタジオを利用するための手伝いなら、仕方がない。





「まずはー、とりあえずこのギターをスタジオに持って行ってくれない？」


とギターを２本、差し出してくる。



これぐらい、自分で運べるでしょうに…と心の中で呟くと、





「今から他の機材をメンバーが車で持ってくるから、俺はこの場から離れられないんだよね」


だなんてまともな理由を突き付けてくるから、断ることもできず。





「分かりました、運んでおきます」




ギターケースを両手に持ってスタジオに入った。






…初めてギター持ったけど、意外と重くて。




もう少し早くスタジオ行けば良かったと後悔。






…そろそろ洋平さん達がスタジオ来るから受付にいたかったんだけど。この状態だと無理そうだな。


今日の私は本当にツイてない。

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