78話 ページ29
sideA
お人形さんは私より美しいわけではない。
だから、手だけとか顔は映らない。
それが癇に障ったみたい。
「なんでよ!」
A『…ふぅ…』
「立神様のお嬢様の方がこの衣装には映えるし…」
「立神様のお嬢様の方が雰囲気出るし…」
一気に壊すのは勿体ないけど、仕方ない時だってあるのよ。
A『レベルが違うのよ。』
「ようやく尻尾見せた!」
五月蝿い。
A『無様なお人形さんの分際で…』
逆上させることを次々と言えば
何処からともなくハサミを出した。
怪我させるつもり?
と思ったら髪を切られた。
「あんたがそんな髪をしてるから!」
生まれつき白銀の髪なんだけど。
咄嗟に避けたから少なく済んだ。
4センチくらいしか切られてない。
まあ、女の子にしたら大分大きいけど。
赤司「?…どうかしたの?」
毎日顔を見てるから違和感でもあった?
「立神様…どうして?」
A『あの子に髪を切られた。』
今回は本当の事。
「な、なんて事を!おい××謝りなさい!すみません…!この件は必ずや反省させ…」
やっぱり私は守られている。
「白銀様の血縁の綺麗な御髪を…慰謝料でも何でもします!どうか!」
無様なお人形さん。
A『パパからの愛はもう貰えないかもね。おめでとう。』
私の鬱憤を少しは晴らせそう。
でもまだ足りない。
四肢をへし折って首をもいで…死んで。
赤司「…報復は必ずする。覚悟しろ。」
A『…美容院予約しといて。』
赤司「お義兄様が既にしているよ。」
はっや。
龍我「…俺の妹になんて事を…」
A『兄様……』
龍我「大丈夫…兄ちゃんが必ず潰してやる。」
ほら、私にみんな全面協力。
あっという間壊れてしまうけど、
仕方ない。
A『兄様…別に顔は何もされてません…』
離して。
龍我「…そのようだ…もうすぐ美容師が来るからヘアスタイルでも見てて。」
何?予約ってこっちに来るの?
「撮影は一旦中断だ。何をされた。」
A『あの子に髪を切られました。文房具ハサミで。』
全く髪傷むじゃない。
「…厳しく制裁するか。」
龍我「父様、Aの調べですと…」
強力な手駒が増えた。
赤司「…僕達も負けてられないね。」
A『引き金は父親だけどね。』
赤司「関係ないよ。君にこんな傷を…」
そうね、関係ないね。
A『…』
舞台は華やかにそして残酷に。
死を懇願する程の生き地獄。
惨めに踊ってて。
飽きたら捨てるから。
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maho1102(プロフ) - この作品好きです!!!歪んでるとこが1番好き!!これからも頑張ってください!!! (2018年11月28日 10時) (レス) id: 1f5c09aa67 (このIDを非表示/違反報告)
5号 ミッキー(プロフ) - 好きです。これからも応援します!更新、自分のペースで頑張ってください! (2018年10月23日 21時) (レス) id: 27b1904a4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペテン師 | 作成日時:2018年10月15日 22時