トリカブトの誓い【オリオンの刻印】 (ページ20)

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第19章ページ20

～レストラン～

趙「この先、皆さんを待ち受けているのは世界のトップを目指す厳しい戦いです。その前に、今日は思いっきり食べて力をつけましょう♪乾杯！」

監督がそう言うと皆は、テーブルに並べられたロシア料理をガツガツと食べ始めた。

私も料理を食べていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

ｸﾗﾘｵ「こんなところでまた会うとはな。」

円「クラリオ！」

振り向くと、クラリオ率いるスペインチームがいた。

李「スペインチームもここで食事を？」

趙「空港の出会いに続いてこれまた運命的ですねぇ。熱き戦いを繰り広げる者達の思いが、互いを呼び合っているのでしょう♪」

監督はそう言っているが、明らかに胡散臭い。

すると、どこからか金髪の背の高い女の人が現れた。

？「お兄ちゃん♪」

ｽｺｰﾘｵ「メラーニア！」

どうやら、女の人はメラーニアと言うらしい。スコーリオのことを「お兄ちゃん」と呼んでいたから、スコーリオの妹なのだろう。

ﾒﾗｰﾆｱ「スペイン代表を連れて来きターヨ！」

ｽｺｰﾘｵ「イヨイヨ！」

二人はそう言うと、扉の近くにいるサングラスをかけている男のところに行き、コソコソ話すと男からいかにも怪しそうな封筒を貰っていた。

李「あのそちらは、」

子分君がそのやり取りの間に割り込むようにメラーニアのことを聞くと、二人は何かを誤魔化すような手つきでメラーニアのことを紹介した。

ｽｺｰﾘｵ「スコーリオの妹のメラーニアデース！スペイン代表のガイドをしていマース！」

李「そうなんですか。」

わざわざ割り込んで聞いた割にはあっさりと話を終わらせると、

李「親分！全然運命的でも、熱き思いが呼びあっている訳でもないです！この兄妹が仕組んでいますよ！小遣い稼ぎのために…！」

と、監督に暴露した。すると自分たちが仕組んだことを暴露されてしまった二人は、子分君のお面をすごい速さで回してしまった。

カランカラン…とお面が揺れる音が小さくなったと思えば、子分君はフラフラになっていた。

そんなことをよそに、ルーサーはこんなことを言った。

ﾙｰｻｰ「少食だな。その程度しか食わないようじゃ、俺たちに勝てるはずなど無い。」

私は挑発的にそんなことを言われても別に気にはしないが、挑発に乗りやすいのだろう。吉良君と灰崎君は周りの目など気にせずに、

吉「んだと！おい！これあと三つ！」

灰「これ五つ！」

と料理の追加をしていた。