もはや過労死寸前 ページ37
⭐︎
「──ッ、ハァッ、ハァッ……！」
そこまで記憶を掘り起こした所で、冴は過呼吸になった。ゆっくりと深呼吸しながら、前髪に手をやってぐしゃりと掻き回す。
現在、冴がいるのは“青い監獄”に向かうためのバスの中だ。周りではUー20の選手達が休息のために仮眠をとっているのが見える。
「……ハァ……」
冴ももう一度深々と椅子に身を沈め、再び目を瞑る。
時々揺れながらも静かなバスの車内に、冴の意識はうつらうつらと船を漕いでいく。
「………A………」
その口から小さく、名前が呼ばれた。
⭐︎
「……何か名前呼ばれた？」
キョロキョロと辺りを見回す。なんか凄い懐かしい声で名前を呼ばれた気がしたけど、気のせいかな〜。
ていうか、さっき見たら私の仕事が死ぬほど増えていたんだが。
えー今は“青い監獄”選手達の洗濯ゴミ捨てシーツ替えドリンク作りに建物内の清掃……で新しくUー20が来るから、その部屋の掃除にお茶菓子の用意にお茶出しもして……。
私死ぬんじゃないかってくらいのオーバーワークっぷりであるが、それもこれも全部アンリちゃんのため。アンリちゃんが笑顔で「ありがとう、Aちゃん！」なんて言ってくれたら疲れも吹っ飛ぶ。
「あー……そういえば、お茶菓子届いてるはずだよね」
Uー20からの連絡に『〇〇の茶菓子を用意しとけ(意訳)』と書かれていた時はシンプルに殺意が湧いた。テメェで用意しろや。それか絵心、新しい奴を雇用してくれ。私が死んでしまう。
「──お疲れ様です。こんな山奥までありがとうございました」
「はぁ、はぁ……げほっ、い、いえ、どうも」
ここまで配達してくれた人に感謝の気持ちを述べつつ、ぺこりと頭を下げる。汗を流しながらいえいえと微笑む相手はイケメン(この世界に於いての)である。つまりオブラートに包むと体はお相撲さんで顔はヒキガエルだ。
割と本気で尊敬である。その体型で良くここまで……うん、これ以上言うのは止めておこう。
まぁそんなこんなで私は、名前を呼ばれたかな？みたいな違和感などすっかり忘れ、色々忙しく“青い監獄”内を走り回ったのだった。
──────
糸師冴:罪悪感モリモリ。まさか相手が自分を殆ど覚えていないどころか女子が好きであることは知らない。
胡桃沢A:糸師冴……ああ、あの幼少期の幼馴染！レベルの認識であり、暴言吐かれたことすら頭から消えている。相手が自分を好いていたことは知っているが、現在まで引き摺っているとは露ほども思っていない。知れば「嘘でしょ(大爆笑)」になる。酷い。
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まったり団子 - ｳｯｳｯ･･･最高だ･･･特に糸師兄弟が揃いも揃って盛大に勘違いしてるのが･･･これからも読ませてください！お願いします！ (2月24日 20時) (
レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 結葉さん» ありがとうございますーー！🥹これからも応援してくれたら嬉しいです (12月13日 22時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - あいらさん» 返信遅れて申し訳ないです😭冴はもうすぐ出てきたますので、是非お待ち下さい！ (12月13日 22時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - 更新待ってます”！！！！！！！！ (10月12日 10時) (レス) @page31 id: 119a923417 (このIDを非表示/違反報告)
あいら - このお話が大好きです！早くカイザーやネス、冴に会ってメロメロにしてほしいです！ (10月12日 5時) (レス) @page32 id: 2148135a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずき | 作成日時：2023年1月29日 21時
