糸師冴の罪 ページ36
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───糸師冴には、忘れられない少女がいる。
冴には胡桃沢Aという幼馴染がいた。
まろい頬に柔らかな髪、長い睫毛に縁取られた大きな瞳。整った目鼻立ちは将来を期待させるほどに可愛らしく、その美貌ながら顔で人を差別しない、心すら清らかな少女だった。
……今思えば、冴はそんな彼女のことが好きだったのだろう。
冴の顔は、見る人誰もが頰を引き攣らせ、大人にすら悲鳴を上げられるような醜悪な顔立ちだった。得意なサッカーがなければ自分は虐められていただろうと確信するほどに。
……だが、Aだけは違った。
冴くん冴くんと無邪気な笑顔を浮かべて自分に話しかけてきてくれた唯一の少女。彼女の温かな笑みは冴に自身の醜さによる自己嫌悪を忘れさせてくれた。
そんな相手に恋心を抱くなという方が難しいだろう。そうじゃなくとも相手は贔屓目なしの美少女だったし、冴の通っていた小学校では毎日Aへの告白が絶えなかった。
皆に愛されている彼女と仲が良く、幼馴染というステータスは密かに冴の自慢となっていた。
だが。
ある日、弟である凛が突然泣きながら家に帰ってきたのだ。冴は慌てて凛に駆け寄り、その訳を聞いた。
泣きじゃくる弟の口から途切れ途切れに零れたのは、
『ひっ、ひっ、ぅ、Aっ……おれが、いじめっ……一緒にいたせいで……！っう゛う、もう、一緒にいちゃいけない゛っ……！』
との言葉だった。
幼かった冴はその時、大きく、そして致命的な勘違いをしてしまった。
即ち、Aが凛を虐めたのだと。
冷静に考えればそんなわけないと分かるはずだったのに。あの優しくて向日葵のような笑顔を浮かべていたAが、そんな陰湿なことをするわけがないと………そう、思えたはずなのに。
滅多に見ない凛の涙に動揺した冴の頭は、Aが凛を虐めたのだと、そう思考してしまったのだ。
そしてそこから、今でも冴が悪夢に見るような……自分の、Aに対する最低な対応が始まったのだ。
『お前、凛に何した……！凛が泣いてたんだぞ！？』
『……おい、どけよ』
『ハッ、お前がそんな最低な奴だったなんてな』
『もう顔も見たくねぇ』
『──いいか、2度と俺達に近づくな』
今でも鮮明に思い出せる。戸惑い困惑した表情のAと、その華奢な体を思い切り突き飛ばした感触。
尻餅をついたAが呆然としたまま冴を見上げて、その大きな瞳にじわりと薄く涙が滲んだこと。
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まったり団子 - ｳｯｳｯ･･･最高だ･･･特に糸師兄弟が揃いも揃って盛大に勘違いしてるのが･･･これからも読ませてください！お願いします！ (2月24日 20時) (
レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 結葉さん» ありがとうございますーー！🥹これからも応援してくれたら嬉しいです (12月13日 22時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - あいらさん» 返信遅れて申し訳ないです😭冴はもうすぐ出てきたますので、是非お待ち下さい！ (12月13日 22時) (レス) id: df78d63940 (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - 更新待ってます”！！！！！！！！ (10月12日 10時) (レス) @page31 id: 119a923417 (このIDを非表示/違反報告)
あいら - このお話が大好きです！早くカイザーやネス、冴に会ってメロメロにしてほしいです！ (10月12日 5時) (レス) @page32 id: 2148135a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずき | 作成日時：2023年1月29日 21時
