男だけ美醜逆転？いや、私レズビアンなんで問題ないです。

汚水被ったマドンナって何？？ ページ25

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しっかし、御影コーポレーションの御曹司オトしちゃったのが結構な痛手かもしれないなぁとは思っている。
だって玲王くん、私が要らないって言ってるにも関わらず貢ごうとしてくるからなぁ……

マァ私ってば謙虚だから、丁寧にお断りしたけど。なんかそのせいで“お金には靡かない”的なレッテル貼られた感あるんだよね……


その分みんなからの好感度も増された気がするし。前なんか全く会話すらした事ない人に出会い頭「非凡！！」って叫ばれたからな。
なんだ非凡って。私の美貌がか？？


──そんなことをつらつらと考えながら歩いていれば、いつの間にか掃除は終わっていた。


「はぁー、雑巾とバケツ直さなきゃ…」


汚れた水の入ったバケツの縁に雑巾を引っ掛け、よっこらせと持ち上げる。
すると水がちゃぽんと音を立てながら揺れた。


「うぐっ、重た……！」


水道を往復するのが面倒だから、と満タンになるまで水を注いだ過去の自分を殴りたい。限界までバケツに満ちている汚水を持ちながら歩くのは怖すぎる……


「よい、しょっ……！」


一歩一歩、万が一にも躓かないようにきちんと確かめながら歩く。
牛歩みたいな遅い歩みだが、こぼすよりはマシなはずだ。

そのままゆっくりと進む私は、曲がり角を曲がろうとして……


「──うお！？」

「きゃっ！？」


誰かは知らんが逞しい筋肉にぶつかった。あ、と思う間も無く私の手からバケツが離れ──

その瞬間バケツから飛び出した汚水が辺りを濡らし、ガン！！と、激しい音を立てながらバケツが地に落ちた。

バケツから降り注ぐ水を被った私と相手は、濡れ鼠のようになって髪から水を滴らせている。


「──」


私は、ゆっくりと体を見、そして「んだこれ！？」と驚愕している相手を見………ただ純粋に、コイツ死ねよと思ったのだった。



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