茨の姫（？）は眠らない

捕まえてっ！！ ページ7

「汝の魂の形は…分からん。」


あれ、ボクにも同じ事言ったよね？

もしかしてこの鏡さん、性能あんまり良くないのでは…


「えっ！？」


叫んだのは、確かユウとかいう名前の子だったかな。

まあ、兎に角寮分け終わったからマレウス様に会いに行こうっと。

暫くして各寮長達も立ち上がりかけ、あるいは指示を出しかけた時だった。

マレウス様と久しぶりにお話できるなぁ。

ボクはボーっとそんなことを考えていた。


「その狸をつまみ出せ！」


赤髪先輩の声が鏡の間に響いた。

目線の先には、確かに動物見たいな物が。

えぇ〜。

あれは絶対狸なんかじゃないし、言ってしまえば猫でも犬でもないって思うのはボクだけかな？

多分モンスターって呼びの方が近いよ。

それにしては愛嬌のある容姿ではあるけどね。

待って、てかこっちに向かって来る。

魔法…は出来るだけ使いたくないし。

仕方ない。

『アレ』を使うか。

走り回るナニカに、自分で作った伸縮型捕縛装置を投げる。

盗っ人などの捕縛の為に使う用に開発されたんだけど、こんな所で役に立つとは。

さっきまで走り回っていたナニカは、ネットでぐるぐる巻きになっていた。


「迷惑かけちゃってごめん。ありがとう！助かったよ」


ユウのお礼を適当に聞き流して、今度こそボクはディアソムニアの寮生たちに紛れ込み、寮へ向かった。

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