探偵達はカフェにいる【オリジナル】 (ページ27)

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アドニスとミエーレの華麗なるブランチページ27

　アドニスさんには15歳も年下の幼馴染がいる。彼女の名前はミエーレ・ラトルトゥ。ピンク色のロブカット、大きくて丸い蜂蜜の目。ミエーレさんはミュージカル女優で、とくにバレエの能力が素晴らしいんだよね。前に彼女が出ているミュージカルを見に行ったんだけどさ、いやあ～本当にバレエ凄かったよ。

「ミエーレ、なに頼むんだ？」
「うーん……多めに食べたい気もするし……かといってお夕飯に響くのは嫌だよね」
「だよなぁ……」

　ちなみにブランチっていうのは朝食と昼食をかねた食事の事を言うんだよね。朝食って意味のブレックファーストと昼食って意味のランチを混ぜた混成語なんだけれど、これ考えた人天才じゃない？意味も一瞬で分かるし語感も良いしさ。ちなみに、私もサラリーマン時代の休日によくブランチをたしなんでいたんだよね。まあ、ただ単にゆっくり寝ていたから朝食と昼食が兼用になっただけなんだけれどさ。そういう事よくあるでしょ？え、ないの？

「あのAさん、なにかオススメのブランチメニューってありますか？」
「そうですね……例えばスクランブルエッグ、食事系パンケーキ、イングリッシュマフィン、ガレット、グラノーラ……ここら辺がオススメですかね」
「どうするアドニス？」

　アドニスさんは腕を組んで少しの間悩んでいた。悩んでいても顔が良いんだなこの人、なんなの。

「そうだな……イングリッシュマフィンとか気になるな。Aさん、中身は何が作れますか？」
「今ならベーコンエッグ入りが作れますね」
「美味しそう！それお願いします！」
「俺もお願いします」
「かしこまりました」

　イングリッシュマフィンにベーコンエッグを挟んだお手軽料理、一時期ドハマりしてそればっかり作っていたんだよね。作り方は至ってシンプルなんだけれど、普通に目玉焼きを作るとイングリッシュマフィンから白身がダイレクトにはみ出すから、イングリッシュマフィンくらいの大きさ程度の小さなセルクルを使うといいよ。さてベーコンエッグを焼いている間にマフィンを焼いてッと……

　ベーコンエッグを作り終わったら、焼いたマフィンで黄身を潰さないように挟んで……胡椒をちょっとだけ振りかけて……うん、完成！とても単純な料理だけれど、半熟の黄味と温かいマフィンが凄くマッチして美味しいんだよね。

「お待たせしました、ベーコンエッグ入りのイングリッシュマフィンです」
「ありがとうございますAさん」
「おいしそー！」

　アドニスさんとミエーレさんが仲良く頬張って黄身をぶちまけるまであと数秒だったりする。