2話 大胆不敵 ページ10
『！』
ただならぬ気配を感じて、考える前に体が動いた。
みんなの輪の中から跳躍して飛び出し、中々の威力で飛んできたボールを蹴り返す。
「「！」」
驚いて騒つくみんな。
あのまま僕が気付かなかったら、油断し切ってるこの子たちに当たっていた……しかも、相当な威力で。
蹴り返したボールの行方、即ちさっき打ってきた方を見ると、入学式だというのに制服を大幅に改造した少年が不敵に笑っていた。
「流石は東雲A。俺のデスソードを蹴り返すとはな」
『……君、名前は』
「フッ」
少年は足の裏でボールを操り、そのまま蹴り上げて爪先から右脚の膝上に乗せ、言った。
「剣城京介」
……このボールテクニック。挑戦的な態度。
間違いない、「シード」だ。遂に雷門中にも派遣されてきたか。
睨み合っていると、呆気に取られていた雷門二軍のみんなが、ザッと僕の前を囲った。
「お前、危ないだろ！ 何いきなり打ってきてんだ！」
「……うるせーなぁ」
「何言っ……」
『！！』
その時、僕の前で大切な教え子が吹っ飛んだ。
「一乃っ！」
「ゴホッ、ゴホッ……くっ……」
剣城は七助に当たって跳ね返ったボールをトラップし、目を細める。
「ごちゃごちゃうるせーんだよ……黙ってろ」
「Aさん、もしかしてこいつ……」
『……お前たち、相手してやれ』
「「……え！？」」
ポケットに手を入れ、ベンチに向かって歩きだすと、みんなが目を見開いた。
気にせずベンチに座る。傍観の体勢を整えると、本気で何もしないつもりなのが分かったのか、二軍メンバーがあたふたし始めた。
「Aさんが相手してくれるんじゃないんですか！？」
『僕が戦う理由がどこに？ あいつの狙いはお前たち雷門だぜ』
「け、けどっ……」
『甘えんな！！』
オドオドしっぱなしのみんなを一喝する。
ビクッと肩を震わせるのを見て、内心心苦しけれども続けた。
『一年に舐められてどうすんだ！ お前らはいざとなった時人に頼るような臆病者か！？ 守りたいものがあんのなら、自分の足で立ち、自分の手で戦え！！』
「「！」」
『何としても居場所を守れ。一軍に上がれずとも屈せず努力してきた、名門校の誇りを見せてやれ！！』
「「……はい！」」
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» いやいやこちらこそ！書いてくれてほんっとうにありがとおおおおおおおおう！！！(大丈夫、私も初見朧のイラストもらった時ニヤニヤが止まらんかった) テスト終わった！(双方の意味で)滅びればいいのに！！！ テストがんばってねー！！ (2020年10月9日 19時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 紹介してくれてありがとう！いや〜、いざこうやって書かれるととても嬉しい(クッソにやにやしてます)(気持ち悪い)ああああ私もテストが近い！嫌だ！滅びればいいのに！((お互い頑張ろー！ (2020年9月15日 20時) (レス) id: 539b906aee (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - オムライス(＾ω＾)さん» 嬉しかった！！ありがとう！ありがとう！！ここまで続けて来られたのはオムちゃんのおかげです！！ ぎゃーいいの！？いいの！！？めっちゃ楽しみにしてます……！！(こちらこそ長文失礼しました！) (2020年9月9日 5時) (レス) id: 8682462ce1 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - オムちゃあああああんありがふううううう！！ええええ全然無理しないで！？そりゃ来たらめちゃくちゃ嬉しいけどぜひぜひ部活の方をご優先して…！！ そ、そうなのか…！そんなすごいタイミングで読んでもらえて嬉しいです……！！私も、いっぱい描いてもらえて本当に (2020年9月9日 5時) (レス) id: 8682462ce1 (このIDを非表示/違反報告)
オムライス(＾ω＾)(プロフ) - （まだ続くよごめんね）くらちゃんと出会うきっかけになった天空の巫女三周年！本当におめでたい！遅刻という形になっちゃうけどまたイラスト描いたら送らせてもらうね！！改めて三周年&東雲ちゃんおたおめ！！（長文失礼しました！！） (2020年9月8日 23時) (レス) id: ee2c875216 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作成日時：2020年7月25日 21時
