第411話 互いのプレーは ページ7
──だったのに。
ロニージョ達の動きは、不自然そのもの。
寧ろ前半の方がマシだったかも知れないくらい、彼らのプレーは酷かった。
攻めて来ない。ただただパスを回すだけ……。
これがザ・キングダムのサッカーなわけない。
だってあなた達……全然楽しそうな表情してないじゃない。
「──がっかりだ!!」
「「!」」
静まり返って、情熱も何もない冷ややかなピッチに、雷電の怒鳴り声はよく響いた。
「ガルシルドが捕まって、本気のザ・キングダムが見れるかと期待してたのによォ」
「っ……」
……雷電の言う通りだわ。
有人と頷き合い、パスを受け取ったロニージョの元へ二人で走る。
パスコースは塞いだわ。あなたの個人技で、私達を抜いて見なさいよ。
けれどロニージョはあくまで攻めない。踵を返し、戻ろうとする。
その前に、雷電が立ちはだかった。
「ブレードアタック!!!!」
「っぐぁ!!」
ロニージョからボールを奪い取り、雷電は彼を見下ろす。
「これがイナズマジャパンのプレーだ!!」
地面に尻餅をついたまま立ち上がらないロニージョの脇を駆けた。
士郎との鮮やかなワンツーでラガルートを抜き、「サンダービースト改」で一点。
ザ・キングダムを叩き起こすための、同点ゴールが決まった。
「ロニージョ、どうしたんだ? 前半よりキレがなくなってる。ガルシルドは、刑事さんが必ず逮捕するって約束してくれた!
もうお前達を
「……違うんだ」
「え?」
守に詰め寄られ、ロニージョは俯いたまま小さく呟く。
戸惑う私達に、ラガルートが進み出た。
「俺達の家族は、ガルシルドのグループ企業から仕事を貰っていたんだ。もし、ガルシルドが逮捕されることになれば、俺達の家族は仕事を無くしてしまう……」
『!』
……そう。それがあなた達を迷わせていた理由なのね。
いてもいなくてもザ・キングダムを苦しめるなんて。ガルシルド……あんたは。
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杳覇(プロフ) - Raiさん» こちらこそありがとうございます!嬉しいです(〃ω〃) 更新頑張ります!! (2020年8月25日 20時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
Rai - 杳覇さん» イベント参加ありがとうございますこの作品見て惚れました!読んでみて分かったのは不動の嫌いなトマト?分かってて凄く面白かったですこれから作品頑張って下さい。 (2020年8月25日 20時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - Raiさん» コメントありがとうございます! お褒めの言葉光栄です!! イベントの件、ぜひ参加させていただきます。お誘いありがとうございます! 申請させて頂きますね! (2020年8月25日 20時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
Rai - 初めましてドキドキワクワクで更新楽しみしています無理言ってすみませんもし可能でしたら嬉しいですイベント「https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」です (2020年8月25日 16時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - オムライス(^ω^)さん» 遂に言っちゃいましたよ明王ちゃん!!ヒエ私の書いてる文で美麻ちゃんのドキドキが伝わってるようで嬉しい…!! ありがとう……!!(´;ω;`)ウウッ 更新頑張ります!!! (2020年8月13日 23時) (レス) id: 8682462ce1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杳覇 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec4/
作成日時:2020年6月6日 20時