☆Side story☆ 如月秋江と瞳子 ページ31
「最低ですね……何も変わってなかった……私はあの子を傷つけてばかり……っ」
「……」
「あの子に謝りたい……今度こそ、本当の言葉で……」
「……少なくとも、今は不可能です」
か細い声で嗚咽を洩らす彼女に、瞳子はあくまで冷たく言い放った。
しかしそれに、如月が怒り狂うなんてことはない。
瞳子はそれを確認すると、間を開けて続けた。
「変わって下さい」
「！」
「今まで変われなかったとしても、今から変わって下さい。今のあなたならできるはずです。
そしたら……彼女にまた、謝りに来て下さい」
瞳子はフィールドを見つめたまま言った。
「胸の重りを外せ」と指示されたリトルギガントの激しい攻めに、苦戦する東雲の姿が見える。
「けれど……もう、あの子は会ってくれません」
「……」
「あんなに酷いことをした……それでも信じようとしてくれたAを裏切った……。
私に、あの子に会う資格は無いんです……」
如月が耐えきれなくなったように顔を覆った。
後悔の念がどっと押し寄せているのだろう。
瞳子だって、彼女を許した訳では無い。
きっと一生許せない。
けれど、許すことの大切さを、彼女は知っている。
「……会ってくれます」
「！」
「Aは……あの子は、優しい子ですから」
秋江はそっとフィールドに目を向けた。
彼女の目には、監督に「楽しんでこい」と言われ、心底楽しそうにサッカーをする東雲の姿が映っている。
秋江はそんな彼女を優しく見つめ、
「……これから、真面目に働きます」
「……」
「私の精一杯の力で働きます。世の中に貢献できるようになります。何年後になるか分からないけど……私が、私に戻れたら。
……また、あの子に会いに行きます」
如月がそう言った時、凄まじい風が吹いてきた。
あまりの風に屈む二人。やがてそれが治まった時、得点を決めていた東雲を見て、瞳子は柔らかく微笑んだ。
「ええ。良いと思います」
……これは、再び母と娘が出会うことになる、少し前のお話。
☆Side story☆ イナオリトリップ！？→←☆Side story☆ 如月秋江と瞳子
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杳覇(プロフ) - 鈴松しおん@受験成功!!褒めて、超褒めて←さん» うわあああありがとうございます！！どうかご無理なさらず！！よろしくお願いします！！ (2020年3月10日 21時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
鈴松しおん@受験成功!!褒めて、超褒めて←(プロフ) - あ、絶ッ対水着姿も描きます(真顔) (2020年3月10日 21時) (レス) id: 833b5b0a6b (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - きららさん» きらら様っ！！ありがとうございます！！感動して頂けたようで何よりです……！！ほんとですか！？嬉しい…！！実は今、新作を目論んでまして……。 本当にありがとうございます。きらら様の応援を糧に、頑張ります！！ (2020年3月10日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - 本編完結おめでとうございます!!遂に天空の巫女シリーズ終わりかー…やばいです、めっちゃ泣いた…番外編のイナオリトリップとかも面白かったです！これからも作品を作ったりするならばすぐさま駆けつけます！作者様も作品も大好きです！これからもずっと応援してます！ (2020年3月10日 16時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 雪さん» 雪ちゃんっ！！ありがとうー！！そうだね、私もそう思ったよ。すばっ！？ううっ、ありがとう……(T ^ T)私も雪ちゃんのこと、大大大好きだよ！！こちらこそ、本当にありがとう！！ (2020年3月10日 8時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作成日時：2020年3月3日 21時
