祝！530話 蘇る記憶 ページ4
僕の放ったシュートは、守の真イジゲン・ザ・ハンドを軽々と突き破り、ゴールネットに突き刺さった。
自身の手に中々の負荷が加わったであろうにもかかわらず、掌を見る前に、焦った様子で此方を見てくる守。
だが、守の心配しているような事は起こらない。僕は、その場に平然と立っていた。
「「……うええええ！？」」
『うわぁっ！』
一拍おいて、耳をつんざく叫び声。
同時に、後ろからドンッと衝撃が来る。
つんのめりながら後ろを振り返ると、勢い余ったみんなが、そこに集まっていた。
「なっ……A！？あの技はどこで──」
「つーかなんでウラノ・メトリア打ててんだよ！？」
「体は！？大丈夫何ですか！？」
投下される質問の数々に、僕は目をぱちくりさせて、微笑んだ。
『まあ、向こうでもサッカー全然やってなかった訳じゃないってコト。みんなが成長した分、僕だって練習したんだよ』
「……じ、じゃああの必殺技は？鬼道君を抜いた……」
吹雪の言葉に、みんなの視線が有人に集まる。
有人は暫く黙っていたが、やがて組んでいた腕を下ろした。
「……いきなり、視界が奪われたんだ。目の前が真っ白になって、気がついたら抜かれていた。あれは……そう、アフロディのヘブンズタイムを受けた時の様な感覚だ」
有人はその後も何やらぶつぶつと呟いていたけれど、急にふっと顔を上げて、僕を見つめた。
その口元が緩められたので、笑い返す。
「凄い必殺技を身につけたな。ウラノ・メトリアも、使ったのにも関わらず元気そうだ。戦術の幅が広がった」
『みんなの動きも、一つ一つが洗練されてたね。全体的に更に強くなってて驚いたよ』
言い合って、不敵に笑う。──イナズマジャパンが、また一回り強くなったんだ。
今日は早めに練習を切り上げさせてもらい、宿舎に戻った。
監督によると、「大丈夫だと思っていても、体にはまだ相当な疲れが残っている筈」だかららしい。
と、その時、珍しく宿舎のインターホンが活動した。
監督はみんなの練習を見ている。僕はベッドから起き上がると、部屋を出て階段を駆け下りた。
『はーい、どちらさ……──』
言いかけて、固まった。
ミッドナイトブルーの髪。真っ赤な口紅が、あの人の影と重なる。
まざまざと蘇る記憶。思い出したくもなかったあの頃。
「……久しぶりね、A」
『──……母さん』
- 金 運: ★☆☆☆☆
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杳覇(プロフ) - オムライスさん» そう！「くらは」って読みます！もちろん良いよ！！ベルちゃんのままでお願いしますっ！ (2020年3月12日 14時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - オムライスさん» オムちゃん！！ありがとう！！わあああおめでとうーーー！！！私もすっごく嬉しいです(〃ω〃) (2020年3月12日 14時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
オムライス - そういえばベルちゃん、名前が変わってる！呼び方ベルちゃんのままでいいかな？ (2020年3月12日 14時) (レス) id: 89108aaf87 (このIDを非表示/違反報告)
オムライス - ベルちゃん志望校合格おめでとう！私も第一志望校受かってました！また楽しくお話を読めるのが嬉しいです！ (2020年3月12日 13時) (レス) id: 89108aaf87 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 朧月さん» ふええいいのか！？こんな駄作見たら朧月の美しい文体が汚れるよう……(泣) あっ、559は世界編に移行してからのお話で、最初から合わせると実に896話目になるんだ……(笑)ありがとー！朧月のも応援してます！！ (2020年2月23日 14時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2019年11月26日 17時
