黒翼の夜叉姫は大人気携帯小説家 第3章 【イナイレ】

第96話 想像・創造 ページ5

『……』



私も、新必殺技を考えた方が良いかも知れない。

円堂が私のシュートに踏ん張れる様じゃ、そろそろ止められてもおかしくない。


零ノ破弓はスピードは速いけれど、シュート自体の威力はそうない。スピードに目が慣れていて、先回り出来る奴がいたら……。



『でも……』





《作ろうよ！コーチに教えて貰わない、自分だけの必殺技！》

《Aなら出来る！手伝うよ！》





『っ……』



……あの技(・・・)は封印したんだ、使う事は出来ないし…。


やっぱり作ろう。相手に合わせられる様、威力を高めた必殺技を。





『立向居、良ければ私と練習しない？』

「はい！勿論です!!お願いします!!」



……なんだかんだで、私は円堂とのシュート練習はあまりしていない。

自分のシュート力を高める時は、いつも立向居だ。


立向居が可哀想な気がしなくもないけれど、彼も楽しくやってくれているから多分大丈夫だろう。





ボールを置いて、目を閉じる。


イメージは、矢より威力の強い、大太刀。

その一振りで、ゴールを斬り裂ける様な……。



『(ｽｯ』

「！(目を閉じたままで……！)」



頭の中で、巨大な氷の剣を握り締める。


大きく振り上げて、そのまま＿＿!!



『はあｯ!!』

「あ……」



瞼を開くが、シュートはゴールから逸れてしまっていた。

まあ、そう上手くはいかないか。



今度はゴールの大きさも頭の中に……いや、一度自分のシュートを目で見てみよう。



『春奈、シュートの時の姿勢、動画に撮っておいてくれる？』

「はい！」



春奈に撮影を頼み、ゴールを見つめた。


ふっと周りの温度が下がる。

私の大太刀で、ゴールへと狙いを定める。



『ッア!!』



振り下ろす。が、瞬間太刀が消えた。

シュートは途中で威力を無くし、またコースを変えて、ゴールポストへぶつかる。

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