鱗のつばさ (ページ41)

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「じゃあじゃあ、年越しはたこ焼き作ろうよぉ」

「たこを使うならカルパッチョもどうですか？」

「……僕に共食いをしろと」

「あはは！たこじゃなくて別のものを使えばいいんじゃない？」

彼らは例外としても、元々タコとウツボは捕食関係だ。

それにタコは自分の足を食べることはあってもヒステリーに陥らない限りは共食いはしない。

セイレーン？私たちは第一に生きている者が少なすぎて共食いができるほどいないんだ。

一度顔だけ外に出して、水槽の横に取り付けてある小さいテーブルから自分のペンを取り出して軽く振る。

机の上に山になったノートがふわりと浮いてこちらに飛んできた。

防水魔法がかけられているそれを迷わず水槽の中に入れて、自分もまた潜り直す。

「さ、ホリデーの予定も決まったことですし、テスト勉強といきましょうか」

「ええ……ここでもまた勉強？」

「おやフロイド、貴方は天才肌なんですから少しでも勉強したらもっと点数が上がるのでは？」

手始めに一番近くのノートを一冊取ってページをめくる。

そこに書かれていたのはつい数年前の魔法史の対策だった。

問題の出題傾向、解き方から解説まで。

これを全教科百年分なんて気の遠くなるような作業、よくやるな。

「私、今年は体力育成を全捨てしたからどうにか筆記点取らないといけないんだよね」

「なんで捨てたのぉ？」

「単純に一年療養してたら体力が死んだ」

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