鱗のつばさ (ページ40)

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四人で入るとさすがに競争やらなんやらはできないが、軽く泳ぎながら話すくらいの広さはある。

「でもラウンジの水槽は珊瑚もあっていいよね、故郷を思い出すよ」

「今年はどうすんのぉ？ウインターホリデーは帰らないんだよね～？」

「冬の海は寒いですから……イースターホリデーまでは寮生活ですね」

「今年もまたみんなで年越しですね。フロイドの料理も楽しみにしてますよ」

ごろりと水槽の床に横になる。

期末試験が終わったら結果発表の前に舞踏会。

期末試験が終わればウインターホリデー。

去年と同じようにまた四人で寮で毎日泳いで毎日歌って毎日課題をやって毎日楽しく生活する。

人間として。

冬学期を乗り切れば家に戻れる。……とは言っても、私の家はもうどこにあるかわからないけど。

「えぇ～今年はみんなも手伝ってよ」

「いいんですか？」

「ジェイドは調理場出禁なのでおとなしくしていてください」

「私は手伝うよ、料理なら一通りできるし」

一通りと言っても簡単なものしかできないけれど。

一人じゃないウインターホリデーは全然寂しくない。

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