鱗のつばさ (ページ44)

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終了の鐘と共にペンを置いた。

目の前にはすべて埋まった回答用紙。

監督の先生にプリントを渡して、耳にかけていた髪をおろす。

期末テストは今日で終わり。

明後日の舞踏会に向けて、みんな浮き足立つ時間だ。

かくいう僕もこれから楽器の最終調整に参加する。

フロイドと二人で講堂まで向かうと、もう授業で教室を使わないからかすでに楽器が並んでいた。

ピアノにギター、バイオリンにチェロもハープもベースもドラムもある。

演奏してくれる同級生には頭が上がらない。

「こんなにたくさん出るんだあ」

「学園長が枠を広く取ってくれたからね、楽器も備品だからお金かかってないし」

学校の支援があるからここまで校内での演奏会ができる。

学園長にはほとほと頭が上がらない。

「てかさあ、グレイが薬飲むのって歌のためだけじゃないでしょ」

「ありゃばれてたか」

バレバレ～と笑いながらフロイドは近くの木琴をぽんぽんと適当に叩く。

指摘されると少しばかり恥ずかしいけれど間違いではないし。

「アズールが授業で女物のネックレス作ってた時点で察してたよぉ」

「あーそうか、うちのクラスはあそこと合同なんだよね」

マイクを持ってスタンドの可動域と音質を調べる。

声出しもかねて軽くマイクに向かって歌った。

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