仕事が出来ない ページ3
爽やかな朝陽を見詰めながら、漂う珈琲の匂いをすぅっと吸い込む
「いい香り…」
珈琲は嫌いだったが、匂いは好きだった
心地よい気分でAは盆に珈琲を乗せて給油室を出た
「国木田さん、どうぞ、珈琲です」
朝早くからパソコンと面と向かい合う彼の隣にそっと珈琲を置くと、少し此方を見やった後、彼は「嗚呼、ありがとな」
キーボードを打つ彼の骨ばった手がそっとカップに触れるのを見ただけで、心臓が跳ね打つ
目を瞑って1口、珈琲を飲むと、国木田は「…美味い」と息を吐いた
その呟きに顔を輝かせる私を余所に、国木田は眼鏡を直す
「…ーお前は珈琲を淹れること
その言葉に笑顔を強ばらせ「…ん?」と小首を傾げたときは既に時遅し
「誤字27箇所、脱字9箇所だ…
しかも1部日本語が可笑しいぞ…
お前はどうしてこうもミスが多いんだ!」
バッ、と掲げられた書類には丁寧に赤ペンで先生よろしく書き込まれた誤字・脱字の数々
「えぇっ!?」
Aは驚いて国木田の手から書類を取ってまじまじと見つめる
「どうして…、間違えてないか5回も確認したのに」
「逆に此方が聞きたい…」
「あ、そうだ、確認したとき眠くて…」
完璧だと思って出した書類に"失敗作"の判を押され、項垂れるAに国木田は溜息をついて
「…ーお前は本当に仕事の出来ん女だな」
呆れを含んだ言葉は、岩石となったAの頭に最後の大ダメージを食らわせた
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輪廻 - 前作も素晴らしい作品でしたが、今回もとっても面白くて、キュンキュンしております!( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )❤︎この小説、もう更新はなされないのでしょうか?とっても面白いので、国木田さんの言葉の続きが気になります! (2022年5月8日 8時) (レス) @page12 id: 3d9ac3cda8 (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 甘党主義者さん» こんにちは!コメントありがとうございます!前作から…!とっても嬉しいです!ほのぼの恋愛を目指しているので、少しでもゆったりしつつ、きゅんきゅんして下されば幸いです!これからも頑張ります!(´∀`*) (2018年3月22日 23時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
甘党主義者(プロフ) - こんにちは、読ませていただいています! 前作から読み始めているんですけど、凄い面白いです(*^^*) これからも更新、楽しみにしています!! (2018年3月22日 8時) (レス) id: 5924d6346b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AS | 作成日時:2018年3月19日 16時