【文スト】仕事をしない太宰治は家事が出来ない

朝の始まり ページ2

七瀬Aの朝は、とある儀式から始まる






「太宰さんんんん!!!起きて下さァああい!」





探偵社員寮に響き渡るこの"儀式"の台詞が、他の社員の皆にどれだけ迷惑を掛けているのかと考えると、Aは頭が痛かった




(否、そんな事は後…ー！


私の仕事は…！)




どんどんどん！


勢いよく3度ドアを叩いても反応が無ければ突入許可が降りる


特殊部隊さながら…の様にはいかず、Aは思い切りドアを開けてずかずかと入り込み、布団をひっぺがした





「起きて下さい!太宰さん!!」





ぜぇぜぇとAが息を荒らげる一方で、当の本人はぶるりと身体を震わせ、重たそうな瞼をゆっくりと開けて




「あ、Aちゃん…、おはほう(おはよう)」




ふわぁあ、と、大あくびをしながら起き上がって


彼方此方に転がる日本酒瓶、積み重ねられた蟹缶、放置された食器、埃の溜まった部屋に、ため息が出る





(もう…、なんで私が)





探偵社の問題児と言っても過言ではない、太宰治


七瀬Aが、そんな太宰治の家政婦になったのは、数日前

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