darling６２ ページ3
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｢いきなり呼んじゃってすみません。
もうわかってると思うんですけど、｣
目の前で、あの後輩が不機嫌そうに立っている。
綺麗で大人っぽくて、
あたしが後輩に見える…
『なんの用で…』
｢勝利くんの彼女でしょ？｣
『へっ？』
勝利くんの目の前で
天使みたいに笑っていた人が
あたしの前で悪魔のような顔をしていた。
『い、今の声はどこから？』
周りを見回してみるけどやっぱり、
あたしたちしかいない。
｢私に決まってんじゃん。
はぁー…なんでこんな先輩に負けちゃうんだろ？
まじむかつく。｣
『え、っと…？｣
｢勝利くん全然こっち向いてくんないの。
先輩どうやって勝利くん落としたの？｣
『落とした！？』
｢汚い手つかったんでしょ？
だってあたしのほうが可愛いしスタイル良いじゃん｣
『ご、ごもっとも…』
こ、怖いです…。
｢キスしたのに勝利くん…｣
キスしたって…
あたし一応彼女なのに…
｢先輩には、悪いと思ってないよ。
だって人を好きになるのって自由でしょ？｣
『そうだね。
………でも勝利くんと付き合ってるのは、
あたしだよ？』
勇気を出してあたしはしっかりと言った。
すると予想外の言葉が帰ってきた。
｢知ってますよ。そんなこと。
だから私に気づいてほしくって
勝利くんに無理やりキスしたの！！
でも…勝利くん私に、何て言ったと思いますか？｣
目に涙をためあたしをキッと睨むと一言いった。
｢どんなにお前が好きって言ってキスしてきても、
俺にはあいつしかいないから。
俺が好きでキスしたいと思うのもひとりだけ。
だってさ。｣
言葉が出なかった。
あたし勝利くんにひどいこといった。
馬鹿だ。
｢は？なんで先輩が泣くのよ。
泣きたいのこっちなんですけど。｣
いつのまにか涙が溢れて
止まらなかった。
｢そんなふうに言われてる先輩が羨ましくて、
悔しかったの！！
だから…先輩が見てるの分かってて勝利くんに
毎日会いに来た！
でも…知ってましたか？
勝利くん、先輩しか見てないんですよ…｣
．
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作者名：そみん
| 作成日時：2021年2月27日 2時
