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第捌章・『君』 ページ8

*


紅色と金色、そして銀色で彩られた紅覇の部屋の扉。

その扉が少し開いていて。

扉の隙間からは紅覇の声が漏れて聞こえてきていた。

気づかれないように、そっと隙間から紅覇の様子を見ることにした。


紅覇は淡い碧色の写真立ての中に入っている写真を見ながら、

誰か―おそらくは写真に写っているひと―に話しかけているように呟いている。




「今日もさぁ、Aに母親の写真、盗まれたんだよね〜・・・

 ま、返してくれたけど。あいつ、意味不明〜・・・毎日写真盗んで僕に追いかけられて、

 結局は返す・・・それって意味なくない?

 ただの幼なじみなのに勝手に部屋に侵入するしぃ・・・

 あいつに合鍵渡したのが間違いだった」



「普通はさ、母親の写真なんて沢山あるんだから・・・その一つを持っていかれたって

 多少は怒るけど、追いかけまわしはしないだろうね〜・・・」



「やっぱり、君の影響だよ」



「なんで・・・なんでなのかな? なんで・・・なんで・・・っ!




 ―――――なんで君はAと似ているんだろう」




紅覇は強く、強く写真立てを両手で抱きしめた。

目から溢れる透明の涙。

それは写真に写る少女を想ってのもので。




「ごめん・・・ごめん・・・

 重ねて見ちゃいけないって、わかってる・・・!

 君が僕のとなりからいなくなったっていうのも、ちゃんと分からなきゃいけない・・・

 でも、まだ、君は僕の中からいなくなってくれない・・・」






「僕はまだ君を愛しているんだ―――」









*


そっと、紅覇の部屋の扉を閉めた。

扉越しでも紅覇のすすり泣く声が聞こえてくる。


(とりあえず、紅覇は無事だし、倒れてないし・・・大丈夫かな)


後ろ髪を引かれる思いはあるが、今入っていけば気まずい雰囲気になること間違いなしだから

やめておこう。


窓から差す光は、もう太陽の光ではなく月明かりに変わっていた。



満点の星が輝く。




*

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あぉぞら - すいません!紅覇くんの消してしまいました…。短編集書いてるので、良ければそちらを…!すいません!玲琉.さんの作品、大好きなんでこれからも読ませて頂きます! (2015年6月22日 1時) (携帯から) (レス) id: 0a5444ed6a (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - あぉぞらさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてすごく嬉しいし励みになります・・・! あぉぞらさんの小説は時間があれば是非読ませて頂きます・・・! (2015年6月9日 18時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
あぉぞら - 私、小説の一気読みはしないんですが、この小説は面白すぎて一気読みしました!私も紅覇くんの小説かいてるので、良かったら見て下さい! (2015年6月9日 1時) (携帯から) (レス) id: 0a5444ed6a (このIDを非表示/違反報告)
もちづき。(プロフ) - 玲琉.さん» ひえええぇありがとう・・・!!発想力というか妄想りょ((ゲフンゲフン。うん!ちょっと息抜きとかに読ませてもらうね! (2014年12月29日 14時) (レス) id: 8ea19f9ae6 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - もちづき。さん» 来てくれて有難うー!!!!つきちゃんは文才あると思うよ^^っていうか恋愛のシチュエーションとかの発想力がすごいと思う!この小説はマギ知らなくてもわかる内容だと思うよ・・・!多分・・・!良ければ全部読んでやってね()綺麗な文章とか何それ嬉しすぎ>< (2014年12月29日 14時) (レス) id: 754b0bfd10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲琉. | 作成日時:2014年4月4日 18時

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