30 ページ30
目を開ければ、部屋は真っ暗になっていた。
いつの間にか寝ていたらしい、ベッドからゆっくりと立ち上がって部屋の電気をつける。
「17:00過ぎ、か…微妙な時に起きちゃった」
乱れた髪をとかし、シワの寄った服をパンパンと払う。
「うわぁ…目ぇ腫れぼった…」
夢の中でかなり泣いたけれど、それは現実でも起こっていたらしい。無意識って怖い。
洗面台で軽く洗って、辛うじてマシになった顔をタオルで拭く。
夜ご飯食べに行こ、と足取りをふらつかせながら部屋を出た。
キッチンに行くと厨房で働いている名綱美湖、通称ナコがいた。
ナコは私の二つ上で、一番歳が近く働きはじめてからの年数も同じで、友達のような人だ。
「鈴、大丈夫?午後の仕事休んだって聞いたけど…」
「うん、午後一杯休んだからもう大丈夫。心配かけてごめんね、ナコ」
ナコはそっか、と微笑んで夕食を出してくれた。
ナコに話したのはきっと夏帆さんだろう。
あの人割とお喋り好きみたいだったから。
今日は鮭のムニエルらしい、それとご飯、付け合わせのサラダを頂いた。美味しい。
今はあまり人が少ない時間帯で、使用人のうち私とコックのナコ、そしてトーマさんしかいない。
けれどこの三人は一番歳も近く、一ノ瀬家の使用人の中で一番仲が良い、と皆に言われる程だ。
そんな三人が集まった訳だから、話がよく弾む。
「このムニエル旨いね…サバ?」
「鮭に決まってるでしょ」
「どうやったら間違えるんですかそれ」
そうして笑っていたら、先程の夢の不快感も薄れていた。
───────
遅くなりましたが使用人の年齢と名前です。
結構今からクライマックスに向かう感じではあるんですが、まだちょこちょこ出るとは思いますので参考にして下さい〜
従者長 浜名夏帆 54(夏帆さん)
南原泉 22(泉さん)
笠松斗真 33(トーマさん)
芳野鈴 28
コック長 山村茂 60(シゲさん)
名綱美湖30(ナコさん)
運転手兼庭師 菅田実48(スガミさん)
林野晃35(アキさん)
16人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月見だんご | 作成日時:2018年3月31日 23時