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一時間程、いやそれ以上かもしれない距離を車に揺られて、ついたのは遥の家よりは小さいけれど、それなりに大きい屋敷。
車から降ろされて、それを見上げていると後ろから声をかけられた。
「ほら、歩いて?」
後ろで縛られている手に繋がる縄を持って、かれはにこりと微笑む。
…この人、超がつくSだ。
はぁ、とばれないように溜め息をついて、俯きがちに私は歩く。
家のドアまで辿り着くと、SPもどき((がドアを開けた。
「…お、ぉ」
思わず声を漏らした。
けれどこれは仕方の無い事だと思う。
天井には蜘蛛の巣が所々張り、床の隅には埃が溜まっている。
それと、所々破けたカーペット。
…掃除しないの?()
「…キミさぁ、ちょくちょく素出すの止めてくんない…?」
普通もっと怯えるでしょ、と彼が苦笑い。
…あっ、私売られたのか((
すっかり忘れてた、と軽く頭を降った。
「じゃあ、キミの部屋、といっても二日位しかいないけど…は、二階の一番奥の突き当たり。なんか色々置いてあるかもしれないけど気にしないで」
あと部屋からは出れないからね、と付け足された。
こくりと頷いて、私はゆっくりと歩き出した。
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りぶさんが浮上してくれて私嬉しい
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作者名:月見だんご | 作成日時:2018年3月31日 23時