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「おはよう鈴ちゃん」

「おはようございます、夏帆さん」


擦れ違う従者長の夏帆さんに頭を下げて、キッチンまで向かう。

御主人様の朝食の片付けをするためだ。


キッチンには、コック長のシゲさんがコンロの前に立っていた。

「おはようございます、シゲさん」

「おう、鈴ちゃんおはよう」


山村茂(やまむらしげる)、それが彼の本名だが本人がそう呼んで欲しいらしく、通称シゲさんとなっている。

シゲさんは御主人様以外に一ノ瀬家の朝食を作っているようだった。

「そういえば、御主人様が今朝のオムレツ美味しいって言っていましたよ」

食器を洗いながらそう声をかけると、嬉しそうな声が返ってきた。


「そうか?そりゃあ良かった。遙様の好みって全然分かんないんだよなぁ…w」

苦笑を漏らす彼に、「御主人様は冷製パスタとか好きですよ」と言うとそうなのか、と少し驚いたような返事が返ってきた。

「はい、御主人様は結構なんでもお食べになりますよ」


ハンドタオルで濡れた手を拭き、それではと言ってキッチンを出た。




今日からの仕事は、この間辞めた良江さんの代わりにこれから働くという新入りの面倒見だ。

どんな人なのかしら、と呟くとちょうど玄関ホールについた。



それと同時に、ドアがガチャリと開いた。

「お帰りなさいませ、和博様」

手をお腹辺りで重ねて、礼をする。


「あぁ、いつもありがとう。芳野、この子を頼む」

この子、新入りというのは彼の後ろで小さく縮こまっている彼女のことだろう。歳は私より6.7歳下位だろうか。


「かしこまりました」

そういって口角を上げて、彼女を手招く。

彼女が小さく、けれどしっかりと頷いたのが見えた。

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作者名:月見だんご | 作成日時:2018年3月31日 23時

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