二度あることは三度ある ページ42
「ここは僕が払うよ」
放課後喉が乾いて自販機で飲み物を買おうとすると、承太郎もそれにのり自販機を覗き込む。
何か飲み物を買う流れが出来上がってきたところで花京院がポケットから財布を出した。
『いやいやいや!ジュース代ぐらい自分で払うよ‼』
「けど細かいの払うのは面倒だろう?」
「見くびってもらっちゃあ困るな花京院、これぐらい自分で払えるぜ」
「別に君たちの財布事情を侮っている訳じゃあないんだ。
ただ…こういうの、ちょっと言ってみたくって」
不動産王の孫であり有名なミュージシャンを親に持つ承太郎の言葉は重い。
私もお金を持っていないわけではないので払わせまいと抵抗する。
しかし花京院の気持ちがまぁまぁわかる私にとってその憧れに共感できてしまうため、引き下がりづらくなってしまった。
『じゃあこうしよう、次私が何かしらの形で奢って返すからその交換条件ってことで』
「オイ待て、なら俺はその次の次の機会でテメーらに奢るとしても払った金額の差はどうするんだ?」
「ならその間の払った金額を計算して後で合点がいくようにしたら?」
最初はただの奢るかどうかの話だったがどんどん話がいりくんでいき小難しくなっていく。
喉が渇いたことも忘れて話し合いを続けていると花京院の背後を男が通りすぎる。
「あ、すみません」
小走り出掛けていく男は花京院の言葉も気に止めず背中を向けて走る。
まるで何かに追われているように、まるで手元の何かを隠すような姿勢で。
「花京院!財布はどこにやった‼」
「…!あの男だ‼」
承太郎が花京院の財布がなくなっていることに気付き声をかけると、案の定男がすっていたらしい。
逃げられない内にと急いでスタンドを出す。
標準を定めてから力一杯男に向かってナーヴを投げた。
『ナーヴ・アットウィル!』
見事頭に命中し訳もわからぬまま倒れていく男にガッツポーズを決める。
しかし後ろの二人はそれぞれのスタンドを出したまま固まっていた。
「A、投げるのは…」
『承太郎のマネ!』
「…承太郎?」
「…………」
イギーを投げていたことを咄嗟に思い出してやってみたがこうも上手く行くとは。
花京院が頭を抱えている様子がお母さんみたいで思わず少し微笑んだ。
『それにしても三回もスられるなんてついてないね』
「三回?これで二回目のはずだけど」
『ゴメン間違えた』
一回目はイエローテンパランスだったっけ。
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酸性雨の1つ(プロフ) - 蛸山葵さん» いえいえ、、貴方こそが神なのです。崇め讃えます。 (2月3日 21時) (レス) id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 酸性雨の1つさん» まさか私の知らぬ間に降臨していたとは……。神の名に恥じぬよう頑張りたいと思います! (2月3日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
酸性雨の1つ(プロフ) - 、、、神が此処にいますね存在してますね (2月3日 11時) (レス) @page50 id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 憂さん» 「続きが見たい」と言ってくれてとても嬉しいです!申し訳ありませんが変にダラダラと続けるよりは今区切っておきたいと思いまして…。まだ拙い文ですが読んでくださりありがとうございました。 (11月7日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - お、、終わっちゃうんですか!! できることなら続きが見たいです 間違いであってくれぇ〜 (11月7日 0時) (レス) @page50 id: fbaa8ffb84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蛸山葵 | 作成日時:2023年8月28日 23時