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「承太郎を驚かせたくてこっそり来てたんじゃよ」


『ホントびっくりしました、けど元気そうで良かったです』


「マジシャンズレッドもまだまだ現役だからな」



誇ったようにスタンドを出したアヴドゥルさんにルンルンと近寄った。
久しぶりに会う魔術師の赤に手を振ると気恥ずかしそうに目をそらす。

テンションが上がっているとふとこんな疑問が出てくる。



『あの…ポルナレフとイギーは』



見当たらない一人と一匹についておずおずと口を開いた。

あの五人とは五十日間一緒にいたしイギーだって立派な戦友。
欲を言う訳じゃあないがこの状況に少し寂しさを覚える。


普段明るくて陽気な分、いない時の寂しさが痛いほど身に沁みるというもの。
喧嘩していた風景に懐かしさを覚えつつジョースターさんを見つめた。



「すまんなA、ポルナレフは用事がつかなくてな。
イギーは今どこぞの街で野良犬の王をやっとるらしい。

けどポルナレフの方もお前さん達に会いたがってたわい」


『いえ、ジョースターさんが謝る必要はありませんよ。
その言葉をきけただけで十分満足ですから。次に期待します』


「観光客を口説こうとして迷わなきゃいいがな」



承太郎の軽口に笑いがおきる。美人を追いかけてるポルナレフが容易に想像できるよ。
イギーは少し残念な気持ちもあるが本人の性格を考えたら妥当だろう。

わずかにしんみりしたムードになっていると、気を取り直すかのようにアヴドゥルさんが言った。



「そうだ、久しぶりに私の占いでもどうだ?」


「いいですね!」


「さて、何を占ってもらおうかのう」



アヴドゥルさんの機転により雰囲気が盛り返していく。

なにせ彼の本業は占い師、プロの占いなのだから場が盛り上がるのは必然と言えよう。
占いの定番と言えば未来のことだが承太郎でその話はしたな。



『なら…ポルナレフの将来とか』



今度は対象を変えてポルナレフの名前を出した。


予想ができないだけじあゃなく、この場にいないので止められる心配もない。
賛同の声が聞こえてからアヴドゥルさんはタロットカードを畳の上に並べる。

その後彼が発した一言は衝撃的なものだった。



「…カメ」


「「「『カメ?』」」」



言葉の意味がわからず声を揃えて聞き返す。しかし本人は何を言うでもなく黙り込んだ。

アヴドゥルさんの腕は信頼しているけど今回の結果はちんぷんかんぷん。
単刀直入に疑問を言えるはずもなく、その場に気まずい空気が流れた。

二度あることは三度ある→←百発百中



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酸性雨の1つ(プロフ) - 蛸山葵さん» いえいえ、、貴方こそが神なのです。崇め讃えます。 (2月3日 21時) (レス) id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 酸性雨の1つさん» まさか私の知らぬ間に降臨していたとは……。神の名に恥じぬよう頑張りたいと思います! (2月3日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
酸性雨の1つ(プロフ) - 、、、神が此処にいますね存在してますね (2月3日 11時) (レス) @page50 id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 憂さん» 「続きが見たい」と言ってくれてとても嬉しいです!申し訳ありませんが変にダラダラと続けるよりは今区切っておきたいと思いまして…。まだ拙い文ですが読んでくださりありがとうございました。 (11月7日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お、、終わっちゃうんですか!! できることなら続きが見たいです 間違いであってくれぇ〜 (11月7日 0時) (レス) @page50 id: fbaa8ffb84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蛸山葵 | 作成日時:2023年8月28日 23時

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